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第9回 綾瀬穂乃香の早わかりチェス講座[クローズド・ゲーム > クイーンズ・ギャンビット > スラヴ・ディフェンス]

 

 こんばんは。この前は『変わりゆく西洋将棋』でお逢いした方もいらっしゃいますね。その節はどうも……また、この講座では久しぶりということで、心機一転、また始めていきたいと思います。

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 この事務所のブログをきっかけに、チェスに興味を持ってくださったとか、実際に自分もプレイを始めてみてくださったという嬉しい声を時々耳にするようになったのですが、実際にプレイしてみようかしら、と思った方がオープニングの手引きとして身近に置いてくださったら嬉しいな、とそんな思いで始めたこの『早わかりチェス講座』、実は今まで1. e4で始まるゲームしか取り上げていなかったんですね。『黒番で相手が1. e4以外の手を指して来たらもうわからない』と、そんな意見を散見することもありましたが、もう大丈夫です!今日から、クイーンズ・ポーン・ゲームを一緒に見ていきましょう。

 

 ここからは少し復習となりますが、チェスのオープニングは白の初手でまず3つに分類することができましたね。そうです、

(1) キングズ・ポーン・オープニング……1. e4と突くゲーム

(2) クイーンズ・ポーン・オープニング……1. d4と突くゲーム

(3) フランク・オープニング……それ以外のゲーム

という分け方でした。そして、(1)のキングズ・ポーン・オープニングは更に黒の初手で2つに分けることができます。

(1.1) オープン・ゲーム……1. e4 e5で始まるゲーム

(1.2) セミ・オープン・ゲーム……それ以外のゲーム

でした。ルイ・ロペスなどはオープン・ゲームですし、センター・カウンターなどはセミ・オープン・ゲームですね。

 

 同様に、クイーンズ・ポーン・オープニングも黒の初手によって分けることができます。こちらは次のように、

(2.1) クローズド・ゲーム……1. d4 d5で始まるゲーム

(2.2) インディアン・システム……1. d4 Nf6で始まるゲーム

(2.3)その他のゲーム

と3つに分かれます。今日から、このクローズド・ゲームのラインを一緒に見ていきたいと思ってます。よろしくお願いします。

 

 ここで、さらにクローズド・ゲームを白の初手で分けることができるのですが、今日からは最も代表的な1. d4 d5 2. c4で始まるクイーンズ・ギャンビットを取り上げたいと思います。クイーンズ・ギャンビットの分岐は、

(Ⅰ)ジルバミンツ・ギャンビット……1. d4 d5 2. c4 b5

(Ⅱ)シンメトリカル・ディフェンス……1. d4 d5 2. c4 c5

(Ⅲ)スラヴ・ディフェンス……1. d4 d5 2. c4 c6

(Ⅳ)クイーンズ・ギャンビット・アクセプテッド……1. d4 d5 2. c4 dc

(Ⅴ)アルビン・カウンター・ギャンビット……1. d4 d5 2. c4 e5

(Ⅵ)クイーンズ・ギャンビット・ディクラインド……1. d4 d5 2. c4 e6

(Ⅶ)バルティック・ディフェンス……1. d4 d5 2. c4 Bf5

(Ⅷ)チゴリン・ディフェンス……1. d4 d5 2. c4 Nc6

(Ⅸ)マーシャル・ディフェンス……1. d4 d5 2. c4 Nf6

と、このようになっており、第9回目の今回は、この中からスラヴ・ディフェンスを取り上げます。クイーンズ・ギャンビットの基本形からは、a,b,c,e,f,g,hファイルのポーンを1マスまたは2マス突くか、ギャンビットを受けるか、はたまた白マスビショップを戦線に送り出すか、左右のナイトを跳ねる手しか指せる手はないのですが、この中でも名前がついているのはとりあえず上記の9ラインという感じですね。付け加えるならば、(Ⅰ)や(Ⅸ)は最近あまり見ないような気もします。

 ここで注意すべきことが一点ありまして、クイーンズ・ギャンビットはあまりにクローズド・ゲームの代表的存在となりすぎてしまい、2手目c4の本来の『ギャンビット』の意味が取り立てて斟酌されなくなってしまったという経緯があり、広義では1. d4 d5 2. c4から始まるすべてのゲームは『クイーンズ・ギャンビット』と呼ばれるのですが、狭義では1. d4 d5 2. c4 e6と進んだ(Ⅶ)の『クイーンズ・ギャンビット・ディクラインド』を指して『クイーンズ・ギャンビット』と呼び習わすことがあります。ネットの記事の閲覧や、観戦サイトのコメントを読むときなどで、『あれ?』と思ったときに思い出してもらえたらいいですね。

 クイーンズ・ギャンビットを学ぶ際には、dファイルのポーンが互いに突かれている、というのが大きなポイントになります。序盤の理解というのは各ファイルのポーンの性格の把握が寄与するところはとても大きいと思うのですが、中でもdポーンというのは最初からクイーンのヒモがついている最強のポーンである、ということを今日はぜひ覚えて帰ってもらいたいですね。クイーンズ・ギャンビットでは、このポーンにお互いピースの利きを集めていくので、必然的にこのポーンを巡って戦いが起こるようになります。

 

 まずスラヴ・ディフェンスの基本の形はこうです。説明の途中でとても細やかな変化に入ることもあるかと思うので、以下は自分の棋力などによって、必要と思うところを読んでくれればと思いますね。

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(Figure.1 Slav Defence : 1. d4 d5 2. c4 c6 まで)

 黒がこの作戦をとるメリットは、まずd5のポーンをc6と突いて支えてやることで、cd cdのリキャプチャを用意し、強固なセンターコントロールの礎を作る狙いにありますね。また、dポーンが早々に突かれているので、クイーンズ・ビショップ(白マスビショップとも言いますね。c8のビショップです)の進路が確保されていることも大きいです。白からcdと取って来ないようであれば、いつでもdcと黒から攻める手があるのも概ねプラスです。

 対してデメリットですが……c6を突いているためにNc6とクイーンズ・ナイトの活用を図る手が指せなくなっているのは無視できませんね。そして足の速いナイトの展開が図れないのと関連して、黒はスラヴ・ディフェンスでは駒組がやや立ち遅れる嫌いがあるのも事実です。白が素早く布陣を整えていくのに突いていき、ドロー含みで反撃を狙う、黒の腕の見せ所ですね。非常に緻密で論理的なオープニングなので、他のオープニングを得意とするプレイヤーであっても、勉強することで得られるものは多いでしょう。

 なぜスラヴというのか……それはアラピンやアレヒン、ボゴリューボフといったスラヴ民族のプレイヤーが深い研究をしてきたことと関係があるのでしょうね。16世紀にはこの形は知られていたようですが、1920年代に入ってから急激に定跡が整備されていった、という時代背景を持っています。非常に網羅性の高い研究が水面下にあるラインでもあり、1930年代の世界チャンピオンたちから脈々と、現在も第一線のグランドマスターたちに好まれているラインでもあります。

 

 チェスのラインは川の流れに譬えられるところがあります。まず主流を押さえ、そこから分枝の傍流を見ていくのが、概観をつかみやすいでしょう。

 

 (Fig.1)の基本形からは、3. Nf3とキングズ・ナイトの活用を図りながらキャスリングに近づける手がやはり多いですね。この手でモダン・ラインと呼ばれるラインに入りました。

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(Fig.2 Slav, Modern Line : Fig.1~3. Nf3 まで)

 3手目で白から手を変えるとしたら、クイーンズ・ビショップのダイアゴナルを抉じ開けながらセンターを強化するe3や、ぶつかっている駒を清算するcd、他にはNc3とこちらのナイトを跳ねる手もありますか。

 3. cdはエクスチェンジ・ヴァリエーションやエクスチェンジ・スラヴと呼ばれますが、後述するラインに合流することが多いのでここでの説明はしません。

 3. Nc3には黒が3. ... Nf6と返し、4. Nf3からメイン・ラインにトランスポーズすることが多いですね。手順前後でもあるラインに合流することをチェスではトランスポーズといいます。しかし、3. ... e5とギャンビットを仕掛ける強気な手もありますので、紹介しておきましょう。

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(c.f. Fig.2.1 Slav, Winawer Counter Gambit : Fig.1~3. Nc3 e5 まで)

 ワイナウワー・カウンター・ギャンビットと呼ばれますね。応じて白微有利と言われています。フレンチ・ワイナウワーにもこの名前が出たのは懐かしいですね。これが主流の3. Nf3から別れる最初の分枝です。

 

 メイン・ラインに戻りますと、3. Nf3には黒も3. ... Nf6と同じくキングサイドのマイナーピースの展開を目指すのが一般的でしょうか。

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(Fig.3 : Fig.2~3. ... Nf6 まで)

 他の手は……というと、例えば3. ... Bf5などはいくらスラヴがクイーンズ・ビショップの展開と相性が良いとは言え功を焦り過ぎというものです。以下4. cd cdと清算した後5. Qb3と手順に出る手がシビアで白勝勢でしょう。

 大きな分かれが一つあって、それは3. ... e6と突くものです。

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(c.f. Fig.3.1 Triangle System : Fig.3~3. ... e6 まで)

 3. Nc33. ... e6を返すのが、現在に至るまで、スラヴからのヴァリエーションの中でも非常に人気の高いものの一つで、セミ・スラヴと呼ばれます。日本のチェス愛好家の頭には、Peter Wells v.s. Habu, Yoshiharuの一戦が思い浮かぶのでしょうか。1日目2日目と2日間に分けて、東郷さんと和久井さんが解説をしてくれたのを思い出します。

 そして、トランスポーズでセミ・スラヴに合流させようという深慮の手として、このトライアングル・システムが指されることもままあります。c6,d5,e6の三角形がその名の由来でしょうね。

 セミ・スラヴはスラヴの派生とはいえ最早ひとつの別の戦型と呼んでも差し支えないほどに深く広い研究がなされているので、ここで入り込むのはやめて、改めて『セミ・スラヴ講座』という形で取り上げたいと思いますので、今日はご容赦を……。

 

 4手目では白はもう一方のナイトも跳ね出すのが多いですね。

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(Fig.4 Three Knights Variation : Fig.3~4. Nc3 まで)

 c2にポーンがいる状態でNc3と跳ねる形を、さながら『歩越しの桂』のようで嫌だという感覚を持つプレイヤーで、この白の形を好むがゆえにクイーンズ・ギャンビットを得意とする、という人は意外といるようですね。この形をスリー・ナイツ・ヴァリエーションといいます。

 4手目で白から手を変えるならば、カタラン・オープニングに近い感覚で指す4. Qb3/Qc2は、以下4. ... dc 5. Qxc4 Bg4/Bf5と難しい序盤になりますね。

 重要な分枝としては、ここで4. cd cdと進めるエクスチェンジ・スラヴがあります。先述の通り、3. cd cd 4. Nc3としてもトランスポーズしますね。

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(c.f. Fig.4.1 Slav Exchange / Slav, Exchange Var. : Fig. 3~4. cd cd / Fig.2~3. cd cd 4. Nf3 Nf6)

 以下は5. Nc3 Nc6 6. Bf4 Bf5と進んで、シンメトリカル・ラインと呼ばれる形になることが多いです。

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(Fig.4.1.1 Symmetrical line : Slav Exchange~5. Nc3 Nc6 6. Bf4 Bf5)

 シンメトリカル・ラインはドロー率が高く、白が少しでも怖気づいてしまうと引き分けに持ち込まれてしまうので一長一短ですね。ここから進めるならば白の7手目はQb3/Rc1/e3などでしょうか。

 他には4. e3と指すスロウ・スラヴと呼ばれる形も知っておきたいです。本筋の4. Nc3に対してビショップの展開を見込み4. ... Bf5と指すのは、5. Qb35. cd~6. Qb3とアドバンテージを手堅く稼がれるので推奨されませんが、4. e3に対してならこの手が入れられるので、以下は4. ... Bf5 5. Nc3 e6 6. Nh4と続くのがコモンリーでしょうか。ちなみに黒としては指せるならBf5はいつでも指したい手になります。スラヴの実戦で困ったら、入らないかまず第一に読んでみたい候補手ですね。

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(c.f Fig.4.2 : Slow Slav~4. ... Bf5 5. Nc3 e6 6. Nh4)

 

 黒の4手目としては、dc/e6/a6が歴史上多く指されて来ました。このうちメイン・ラインは4. ... dcとこのタイミングでぶつかったポーンを緩和しておく手です。この手で入るラインはツー・ナイツ・アタックスラヴ・アクセプテッドと呼ばれるようですね。

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(Fig.5 Two Knights Attack / Slav Accepted : Fig.4~4. ... dc)

 替えて4. ... e6とするのはセミ・スラヴへのトランスポーズを志向する手ですね。クイーンズ・ギャンビットではトランスポーズが多いですが、それはとりもなおさずクイーンズ・ギャンビットが穏やかな戦型だということの証左です。これも頭の片隅に置いておいてもらえると、うれしいですね。いきなり戦いを巻き起こすのでなく、自陣の準備を入念にして、陣形を整えてから戦いを起こしていく……そんな感じでしょうか。

 もうひとつあった、4. ... a6はなかなか深い手です。チェバネンコ・スラヴと呼ばれるラインに入るのですが、この手の意図は中央で白から嫌味をつけられないようにしながらクイーンサイドの発展を目指すということでしょうか。対して白はスペース・アドバンテージを主張する5. c5など指してみたいところです。以下一例として5. ... Bf5 6. Bf4 Nbd7 7. h3 e6など。

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(c.f. Fig.5.1 Chebanenko Slav / a6 Slav : Fig.4~4. ... a6)

 黒4手目の他の候補としてはいくつかありますが、ドイツのプレイヤー・カール=シュレクターの名を冠するシュレクター・ヴァリエーションとして4. ... g6とフィアンケットを目指すものや、サッチティング・バリエーションとして4. ... Qb6というのもあるでしょうか。

 

 さて、メイン・ラインに歩みを戻しましょう。スラヴ・アクセプテッドの4. ... dcの取り込みに対しては5. ... b5と突く手に備えながら、6. e4~7. Bxc4と黒が取り込んできたc4の地点を狙っていくのが機敏ですね。なので、これを目指す手として白はここで5. a4と指します。アラピン・ヴァリエーションといいます。

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(Fig.6 Alapin Var. : Fig.5~5. a4)

 5手目で白から手を替えるとすれば、e3e4かという悩みどころです。

 5. e3はアリョーヒンの名を貰い、アリョーヒン・ヴァリエーションと呼ばれます。

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(c.f. Fig.6.1 Alekhine Var. : Fig.5~5. e3)

 以下は5. ... b5と指す手にさらに分岐し、6. a4と手順前後にするならば6. ... b4は必須ですが7. Na2 e6と進めるのや、7. Nb1と進めるのがあります。

 一方、5. e4と欲張ってみる手はスラヴ・ゲラー・ギャンビットと呼ばれています。私の事務所だと、ユリ・ゲラーの連想から『サイキック!』ということで堀さんが好んでますね。

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(c.f. Fig.6.2 Slav Geller Gambit : Fig.5~5. e4)

 以下一例は5. ... b5 6. e5 Nd5 7. a4 e6というのがあります。

 

 メイン・ラインに戻ります。ここで晴れて黒は5. ... Bf5と指し、ここまでがメイン・ラインとなります。ここでこの着手は、ビショップを好位置に出たいという狙いの他、6. e4を防ぎたいというのがありますね。この手で入る局面のラインは、チェコ・ディフェンスあるいはチェコ・ヴァリエーションといいますね。

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(Fig.7 Czech Def./ Czech Var. : 1. d4 d5 2. c4 c6 3. Nf3 Nf6 4. Nc3 dc 5. a4 Bf5)

 5. ... Bf5に替える手はNa6/Bg4/e6とあります。

 5. ... Na6スミスロフ・ヴァリエーションと呼ばれるラインですね。以下進行例は6. e4 Bg4 7. Bxc4 e6 8. 0-0 Nh4など。

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(c.f. Fig.7.1 Smyslov Var.Fig.6~5. ... Na6)

 5. ... Bg4シュタイナー・ヴァリエーションあるいはブロンシュタイン・ヴァリエーションと呼ばれています。以下進行例は6. Ne5 Bh56. e4 e5など。

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(c.f. Fig.7.2 Steiner / Bronstein Var. : Fig.6~5. ... Bg4)

 5. ... e6はベルギーのマスターにちなんでソウルタンベイエフ・ヴァリエーションといいます。珍しいラインですね。

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(c.f. Fig.7.3 Soultanbéieff Var. : Fig.6~5. ... e6)

 

 メイン・ライン以後の分岐は6. Nh4と指すブレッド・アタック6. e3と指すクラシカル・ヴァリエーション、そして6. Ne5と跳ねるクラウス・アタックが主な分枝です。それぞれ少しずつ見ていきましょう。

 まずクラシカル・ヴァリエーションです。

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(Fig.8.1 Classical Var. : Main Line~6. e3)

 クラシカル・ヴァリエーションはダッチ・ヴァリエーションとも呼ばれますが、ここも少し表記の揺れがあります。というのは、以下の進行例である6. ... e6 7. Bxc4 Bb4 8. 0-0 0-0をダッチ・ヴァリエーションとするという説もあるからですね。ここで黒が6手目を替えて6. ... Na6として7. ... Nb4を見せるのはダッチ・ラスカー・ヴァリエーションといいます。

 

 次にブレッド・アタックです。これはBf5と出てきたビショップにいきなり当てて跳ねる手です。

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(Fig.8.2 Bled Attack : Main Line~6. Nh4)

 

 最後に、クラウス・アタックですね。同じくナイトを跳ねる手ですが、こちらは中央に使っていきます。

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(Fig.8.3 Krause Attack : Main Line~6. Ne5)

 クラウス・アタックの以下の進行としては、6. ... e6から7. f3 Bb4と進んだ例や、6. ... Nbd7から7. Nxc4 Qc7と進んだ例がありますね。

 

 本日はここまで、です。スラヴ・ディフェンス、ぜひドヴォルザークなんか掛けながら、盤上にスラヴの風と歴史を感じてもらえたら、私は嬉しいです。

 

 ラスカーはいいました。

ーーいい手を見つけたら、もっといい手を探しなさい。

と。チェスのオープニングがもつ歴史は、偉大な先駆者たちの飽くなき探求の歴史でもあると、そんなことを思います。またお会いしましょう、綾瀬穂乃香でした。

 

(続く)