愛とは、全人生をかけてアイドルにチェスを教えること。

フリルドスクエアと行く、奥深いチェスの旅。

幕間:東郷あいのANN 出張版

 

東郷あい「力うどんが餅入りのうどんだと、知らずに餅を追加してしまった棋士がいるらしいんだ」

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あい「最近、将棋がニュースなんかでも扱われるくらいにブームになっているだろう?それで、見かけた話なんだけどね。他にもその棋士は、フロートがどんなものだか知らずに、ソーダフロートだかを頼んで、出て来たものを見て『頼んでません』と当惑したんだとか。お茶目だね」

 

あい「そういえば、私は幼い頃、力うどんを『かうどん』と読んでいたらしいんだ。記号の延長として、文字を覚えるのが早かったらしいんだけどね」

 

あい「君たちも、そんな食にまつわるお茶目エピソードがあったりするのかな。もしあったら、読んでみたいものだね」

 

あい「ん……去年の……あれはハロウィンの時期だったかな。うちの事務所の二宮飛鳥くんが『フロランタン』と何かを間違えて怯えていたが……あれはなんだったんだろうね?」

 

あい「まぁ、いいか。それでは、そろそろはじめて行こうか。『東郷あいのANN』!」

 


Bitter Sweet Samba (オールナイトニッポン・テーマ曲)Long Ver.

 

あい「この番組は、私、東郷あいがお送りする番組だ。櫻井コンツェルン、村上建設、そして柳瀬カニ加工販売会社の提供でお送りしている」

 

あい「そして、いつもはラジオの生放送だが……もうお気づきのことだと思うが……今日はここ、フリルドスクエアがいつも彼女たちの番組を録音しているスタジオにお邪魔しているよ。いわゆる、公開録音的なやつだね」

 

あい「えー、今週も、たくさんのお便り、ハガキ、メール、ファックス、矢文、モールス信号に……ん?スタッフさん、これはなんだい?……いや、矢文はわかるよ。そうじゃない、この鳩は……まぁ、いいか……。とにかく、たくさんのお便りをありがとう」

 

あい「……鳩……ねぇ。まぁ、せっかくだし、ではこの鳩の足に括られている手紙を読ませてもらおうかな」

 

あい「えー、P.N.『最高究極オランジェット』さんからだ。どこかで聞いたようなフレーズだが……はて」

 

あい「『あいさんこんばんは。LiPPSのラジオを聞きながら、いつも楽しく聞いています。』」

 

あい「……とのことだ。お便りありがとう!もう送って来なくていいぞ!」

 

あい「すまない、取り乱したね。続いては、じゃあこのメールにしよう。」

 

あい「『あいさん、こんばんは。さいきん私は、工藤忍ちゃんが包丁で林檎を剥いているカードを見ているとやたらとドキドキしてくるのですが、これはもしかして恋でしょうか?ところで』」

 

あい「さんからのメールだ。ずいぶんユニークなラジオネームだね……」

 

あい「本文は……『チャーシューを6枚追加した冷やし中華は、もうチャーシューがメインだと思いませんか』とのことだ」

 

あい「……そうだね。そもそも、追加を1枚いくらでやってくれるお店じゃないとその注文はしにくいね。きっととても頭を使う職業なのか、それとも和服が良く似合うくらい体格が良い男性なのか、はたまたそのどちらもだったり、そんなところだろうね」

 

あい「あと、君のどきどきはきっと先端恐怖症だよ」

 

あい「さて、おたより紹介はこのくらいにして、今日は特別企画をお送りするよ。目下放送中のドラマ『シンデレラを探して』から、出演者を招いて設定や裏話なんかを伺う、というその名も、『シンデレラを解剖して』のコーナーだ!」

 

あい「……ずいぶん物騒な名前だね。誰が付けたんだい?え?依田芳乃君?……そ、そうか。それでは、お待たせしたね。ゲストのみんな、入って来てくれるかな」

 

?????「あいはん、ごきげんうるわしゅう~。今日は呼んでくれはって、おおきに~」

 

????「あっ、あたしの調達した伝書鳩、届いてるやーん♪」

 

あい「えー、今日のゲストは羽衣小町のお二人だ。って、塩見君の鳩だったのか……」

 

塩見周子「みんなー、よろしゅーこー♪うん、文章はフレちゃんが書いたんだよ~♪」

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小早川紗枝「どうも~、小早川紗枝、いいます~」

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あい「早速だが、二人と一緒に振り返って行こうか。『シンデレラを探して』第2話をね」

 

あい「まず最初の方では柚くんと奈緒くんが早指しをやっているね」

 

紗枝「早指しの最初のげーむは、『窒息めいと』の例として有名な17世紀のげーむどすなぁ」

 

あい「黒番を指したのは当時最強のイタリア人棋士ジョアッキーノ=グレコだね」

 

周子「ムーブは1. e4 e5 2. Nf3 Nc6 3. Bc4 Bc5 4. 0-0 Nf6 5. Re1 0-0 6. c3 Qe7 7. d4 ed 8. e5 Ng4 9. cd Nxd4 10. Nxd4 Qh4 11. Nf3 Qf2+ 12. Kh1 Qg1+ 13. Rxg1 Nf2#、だねー」

 

あい「このゲームの詰め上がりみたいに、あたかもナイトで窒息死させられるような詰みを窒息メイトスムザード・メイトというよね。ジオッコ・ピアノからの変化例の頓死としてはなかなか厄介な筋だ」

 

紗枝「奈緒はんは1話で加蓮はんにぼこぼこにされてはったけど、普通に強いんや~っていう設定なんやろか」

 

周子「柚ちゃんの指し方も独特だよね。総じて攻撃的だけど、今一歩踏み込みが足りないというか。その今一歩がついてきたり、長い持ち時間で埋まると才能を発揮するんだろうなぁっていう」

 

あい「2つ目のゲームは『レガルのメイト』の変則例だろうか?」

 

紗枝「手順に、1. e4 e5 2. Nf3 Nf6 3. Nxe5 Nc6 4. Nxc6 dc 5. d3 Bc5 6. Bg5 Nxe4 7. Bxd8 Bxf2+ 8. Ke2 Bg4#

 

周子「ペトロフ・ディフェンスの変化だね~。ナイトとビショップで詰みを掛けるためにクイーンを捨てる有名な筋。あずきちゃんのプロブレム講座にも似た筋の問題があるね」

 

あい「黒の6手目Nxe4の鬼手が素晴らしいサクリファイスなんだ。これも並べて面白いゲームだよ」

 

周子「この二つは、早指しで正確に頓死を掛ける奈緒ちゃんの強さを示し、まだまだながら素晴らしい反応速度を見せる柚ちゃんの才能を感じさせる小道具として導入したやつだけど、普通に並べる価値がある教材なんだよね。ぜひ並べてみて~」

 

あい「三番目のゲームが、1. e4 e5 2. Nc3 Nc6 3. Nf3 Nf6 4. Bb5 Bb4 5. Nd5 Nxd5 6. ed d4 7. dc dc 8. Be2 ef 9. gf 0-0 10. c3 Bd6 11. d4 Re8 12. 0-0 Qh4 13. f4 Re6 14. Qd3 Rh6 15. Qg3 Rg6 16. Bf3 Rxg3+ 17. fg Qh3 18. Bd2 Qf5 19. Rae1 Be6 20. Be3 Bxa2 21. Bd2 a5 22. Bc1 Bd5 23. Bxd5 cd 24. h4 a4 25. Rf2 Qh3 26. Rf3 c6 27. Re2 g6 28. Rfe3 b5 29. Rg2 c5 30. dc Bxc5 31. Kf2 Bxe3+ 32. Bxe3 a3 33. ba Rxa3 34. Bd2 Ra2 35. Ke1 Ra1+ 36. Ke2 Qxg2+ 37. Ke3 Qe4+ 38. Kf2 Ra2 39. Kf1 Rxd2 40. Kg1 Qe1#これはフォー・ナイツ・ゲームだね。同じ相手に負け続けると、序盤から手を替えてみたくなる。そんな柚くんの想いが2. Nc3なのだろう」

 

紗枝「これは黒の12手目Qh4が機敏どすなぁ……」

 

周子「そこからRh6とバッテリーを目指して、Qg3を強制してからRg6でトドメ……これはいいコンビネーションだね!」

 

あい「フォー・ナイツ・ゲームは実際難しいんだが……こうやってキングサイドに殺到される順は結構怖いものがあるね。そして第4ゲームだが……」

 

周子「これは途中までやし、いいかなぁ」

 

紗枝「むしろここでは、『教会』と『本屋』が符丁のように使われとることを見て欲しいどすなぁ」

 

周子「うんうん。そして出て来るクラリスさん!と、やっと出て来た主人公のひとり・忍ちゃんね~」

 

あい「北条加蓮とシスター・クラリスの間に何か了解の様なものがあるのも気になるね。そしてシスターは北条加蓮を知っているようだが……」

 

紗枝「もしかすると、加蓮はんも忍はんと同じように、拾われはったのかもしれまへんなぁ」

 

あい「まぁそれは、話が進むにつれて明らかになることだろう。ここで私が気になったのはGHQのクダリだったりしてね」

 

紗枝「升田幸三がおらん世界線、ということやろか~」

 

周子「実際の歴史でも、将棋は『戦争を助長する思想だ~』いうて、GHQに禁止されそうになったんだよ~。それを単身乗り込んで阻止したのが、升田幸三っていう棋士でね。ドラマだよね~」

 

あい「『将棋では取った駒がそのまま同じ働きをする。チェスでは取った駒は使えない』ここに注目して、升田がチェスの方が捕虜虐待だ、とやりこめた話は有名だね」

 

紗枝「事実は小説より奇なり、どすなぁ」

 

周子「なんでも、このエピソードを入れたのは、他の将棋を扱う81m@sと違って64m@sには、『チェスがあまりメジャーじゃない』っていう背景が付き纏うからなんだって。確かに、存在は知ってるけどできる~って人はそんなに多くないよね」

 

あい「なるほど。この国ではあまり人口に膾炙していると言えないチェスというゲームを、アイドルたちが当たり前のようにプレイする動画の設定にワンクッション欲しかったというところか」

 

周子「そうそう!そこで、『どんな出来事があったら将棋とか日本既存のボードゲームじゃなくて、チェスを寄ってたかってやる羽目になるか』って。そしたら、さっきの升田幸三GHQを止められなかったことにしたらいいんじゃないか。って!」

 

あい「なるほど。では今後もGHQが絡んで来るのか、それも見ものだね。それからこのシーンは動画終盤への重要な布石になっているわけだな」

 

紗枝「凄絶な覚悟、加蓮はんもあんじょう演じはったなぁ」

 

あい「この辺り、『シンデレラを探して』の北条加蓮と、映画にもなったプロ棋士・故・村山聖贈九段が重なったのは私だけだろうか」

 

周子「どうかな~。ま、『チェスが人生を賭けるに足るかどうか』という疑問を投げかけて来る重要な役だよね。加蓮ちゃんの今後の演技に期待、ってことで♪そして、あたしの登場シーンだね!」

 

あい「そうだね。塩見周子速水奏は同じ事務所で、どうやら渋谷凛と旧知の仲らしい」

 

周子「渋谷・アズール・凛ね。どこか外国の血が混じってるのかな?」

 

紗枝「脚本はんも、日本人アイドルばかりにこのドラマをやらせるいうことで、色々苦心しはったんやなぁ……」

 

周子「ここでは周子と奏を通して、『凛の事務所の後輩事情』と『ニュージェネレーションの存在』が明かされる、と」

 

あい「前者ではまず、喜多見柚がアイドルのキャリアを先んじてスタートし、そこを桃井あずき、綾瀬穂乃香が追いかけている様子が言及されたね」

 

周子「なかでも柚ちゃんが下したのが強豪・ウサミンだってことが明かされて、天才の片鱗を匂わせてるよね~」

 

あい「ここでアイドルの所属するランクと、アイドルが持っている称号は無関係、という設定も垣間見えたね」

 

周子「テーマはチェスやけど、このドラマ、色んな設定を日本の現行の将棋から流入しているんよね」

 

紗枝「らんく戦、は名人戦順位戦やろか。そして、IM、GMみたいな称号が、段位のようなものになっとります~」

 

周子「似たようなのだと、候補生と候補生リーグ、もそうだよね。奨励会三段リーグを元ネタにしてるってこと。次点2回での昇格、なんて面白いよね。あずきちゃん佐藤天彦名人枠、だって♪」

 

あい「なるほど、実際のチェス界の動向よりも、我々にまだ少し身近な将棋の設定を選んだ、ということだね」

 

紗枝「監督はんも、苦心しはったんやなぁ……」

 

周子「そして奏ちゃんが『一波瀾』と言及した後の、雨だよね」

 

紗枝「そうして、『本屋』へ行きはった加蓮はんやけど……」

 

周子「本を売らない本屋、って面白いよね~。あ、でも、あの大量の本は不良在庫じゃなくて、店主・鷺沢文香の趣味の書籍と、厖大な量のチェス界のプロファイル、っていう設定があるらしいやん」

 

あい「細かすぎて伝わらないな」

 

紗枝「ここで、加蓮はんとの会話で、鷺沢姉妹が情報を売買して生計を立てていることも判明しましたなぁ」

 

周子「シビアにビジネスの話をしている鷺沢姉妹が、アナスタシアから得た情報。これがまた一悶着の鍵になりそうだよね~」

 

あい「そして雨が降っているのに旧知の仲の北条加蓮を追い出す様に返す鷺沢文香、細かいながら曲者感が出ているよね」

 

紗枝「まぁ、仲良しこよしの仲やないんやなぁというんはわかりますなぁ」

 

周子「雨音、足音、そしてシーンが移行して、紗枝ちゃんのシーンだね」

 

あい「ここで小早川紗枝も本当に曲者だというのがわかるね」

 

紗枝「いややわぁ」

 

周子「『なるかみの~』なんて短歌は、雨を重要なモチーフにした新海誠監督の『言の葉の庭』にも出て来た有名なヤツだよね~」

 

あい「紗枝君が百人一首に覚えがある、という公式設定も拾った形になるのかな」

 

紗枝「まぁ、あの句は小倉百人一首のなかには収載されてへんけどなぁ。さながら、あの歌を見て『あっ、言の葉の庭で観たやつやわぁ……』って思てくれはると、本歌取りのようやなぁって思っとります~」

 

あい「本歌取り……他の短歌の一部分だけを引用することで、限られた文字数の中で更に深く豊かな表現を目指した歌の技法だね。なるほど」

 

周子「ちゃんとあずきちゃんが反物に詳しい、なんてのも拾ってるんだよね。細かいでしょ」

 

あい「確かに。そして同じように公式の趣味を回収したものとしては、速水奏塩見周子佐々木千枝が喫茶店で広げるチェス盤が『佐々木千枝の手製の布盤』というところだろうか」

 

紗枝「お給食袋、縫ってはりましたもんなぁ」

 

周子「御裁縫、得意なんだろね。千枝ちゃんは凛ちゃんにちょっと照れてたりするんだよね。憧れのプレイヤーだったりするのかな」

 

あい「彼女が奏君の妹役で出ている、というのも興味深いね。これから姉妹としての何か絡みを期待させる」

 

周子「あと重要なのは、1話ではバリ・オープンのチャンプは塩見周子だと言及されてたのに、ここでは渋谷凛がタイトル保持者として北条加蓮を迎え撃つことになっている、という点だよね」

 

あい「確かに気になるね」

 

周子「これはね、喫茶店のシーンであたしが奏ちゃんに『加蓮ちゃんに奏ちゃんが負けた』ことを突っ込んでちょっと機嫌損ねさせるところとも繋がってるんだ~。っていうのはね、挑戦者渋谷凛とチャンピオン塩見周子は昨シーズンから約1年にも亘る競り合いをした結果、新シーズンが始まる直前にやっと決着がついて渋谷凛がタイトルを奪取した、っていう裏があるんよ」

 

紗枝「実は本屋はんの前のしーんで、奏はんが周子はんに『凛忙しかった』と言ってはるんよね」

 

周子「そうそう。このだからこの二人は、単なる仲良しじゃなくて、お互いが常にライバルなんだなって」

 

あい「では、山場の対局の解説でもしてもらおうかな」

 

紗枝「せやねぇ……全むーぶは、1. e4 e5 2. Nf3 Nc6 3. Bc4 Bc5 4. d3 d6 5. Bg5 Nf6 6. 0-0 h6 7. Bxf6 Qxf6 8. Nc3 Ne7 9. Na4 Bb6 10. Nxb6 ab 11. d4 0-0 12. c3 Be6 13. Bxe6 Qxe6 14. a3 Ng6 15. Re1 c6 16. d5 cd 17. Qxd5 Qxd5 18. ed Rfc8 19. Nd2 b5 20. Rad1 f5 21. Nb3 Kf7 22. g3 e4 23. Nd4 Ne7 24. Nxb5 Ra6 25. Rd4 Rb6 26. a4 Ng6 27. f4 ef 28. Kf2 Rd8 29. Kxf3 Ne5+ 30. Kg2 Ke7 31. Rc4 Ra8 32. Rc7+ Kf6 33. b3 h5 34. c4 Raa6 35. Rc8 Kf7 36. Nxd6+ Rxd6 37. Rxe5 Kf6 38. Rce8 Rd8 39. c5 Rxe8 40. Rxe8 Kf7 41. Rb8 g5 42. Rxb7+ Ke8 43. c6 Kd8 44. Kf3 Kc8 45. h4 gh 46. gh Ra5 47. d6 Rd5 48. d7+ Kd8 49. b4 Rd3+ 50. Kf4 Rd4+ 51. Kxf5 Rd5+ 52. Ke4 Rd1 53. Rb8+ Kc7 54. Rc8+ Kb6 55. d8=Q+ Rxd8 56. Rxd8 Kxc6 57. Rd5 Kb7 58. Rc5 Ka6 59. Kd5 Kb6 60. Kd6 Kb7 61. Rb5+ Ka6 62. Kc7 Ka7 63. Ra5#となっとります~」

 

周子「今回は高レベルだけど何をしているのか、何がしたいのかは前回よりわかりやすいゲームだったよね。白は徹底的に争点を消して、そのために攻撃ピースを減らすエクスチェンジを仕掛ける。黒は手が作れなくなる、と」

 

あい「エクスチェンジでアンパッサンが出る、など教材的にもおもしろいゲームだったね。是非並べて見て欲しい」

 

紗枝「あんぱっさん、確かに実戦やと見かけへんなぁ」

 

周子「そしてナイト・サクリファイスからルーク+ポーンエンディングへ突入、っとね。タダ捨てのナイトを獲らせると相手のナイトが回収できる、っていうかなり狙い澄ましたアズールなサクリファイスが決まったのが、冒頭でも使われたシーンだったりして」

 

紗枝「そして実際逃げ道が、ないとのちぇっくがかかるところしかあらしまへんもんなぁ。あんじょう作りはったわぁ」

 

あい「紗枝君の演技もなかなかのものだったね。内には熱い闘志を秘め、常に虎視眈々と逆転を狙っているのに、終わった後はけろりと『ずっと悪かった』などと笑顔でいう。京都の人は内心を隠すのが上手い、という話はよく聞くが、二人はそんな風に思ったり、あるいは当て嵌まったりするのだろうか?」

 

紗枝・周子「「せやなぁ……」」

 

周子「確かに、京都の人は自分ちが好きなあまり、ちょっとプライド高いかなぁと思ったりはするかな。どう?紗枝はん」

 

紗枝「うーん、一理ありますなぁ」

 

周子「ね。だから、人から見られる自分にも気品を求めるから、あけっぴろげに感情を表に出さなかったりするのかも」

 

あい「なるほど、そういうこともあるんだな。私としては、『攻めッ気満々の京都生まれの女勝負師』という感じを受けたので、なかなか面白い、良い演技だったと思ったからね」

 

紗枝「いややわぁ、おおきに~」

 

あい「喫茶店のシーンはBGMも少し凝っていたね」

 

周子「スキマスイッチの『奏』のインストアレンジ、あの不思議な音は実は雨音のサンプリングから録ってたりするらしいよ~。だから、『雨の喫茶店』の雰囲気なんだって!」

 

あい「面白い試みだね。そして、最後のシーンか……」

 

紗枝「あれは、観てうちも驚きましたわぁ」

 

あい「伏線回収としては、同じ回でやるのはとても早い感じがあるね」

 

周子「ねー。それだけ展開を急ぐ必要が北条加蓮周りではあるのかもね」

 

紗枝「凛はんが涙を流してるのは、色んなことが考えられるわぁ」

 

あい「ちなみに、この前依田芳乃君はあのシーンを見て『これは赤黒い血なのでー、きっと静脈血でしてー』と言っていたよ」

 

周子「面白」

 

あい「バリ・オープンがあのようになって、どうやって話が展開していくのか気になるね。今回はとても色んな設定が多角的に見える回だった」

 

紗枝「次回はたいとるほるだーの愛梨はんも出演しはるいうから、またお話動くんやろなぁ」

 

周子「ね。あの北条加蓮v.s.渋谷凛戦については、別の機会で解説しよっか。いいゲームだしね」

 

あい「観る人が見れば、あれは白番・北条加蓮の作戦勝ちもいいところで、圧勝に近い局面だとわかるのだろうけど、そうじゃないとなかなか何を観ていいかわからないかもしれないもんね」

 

あい「ではここで一曲いってみよう。スキマスイッチで『奏』、劇中で使われたアレンジバージョンだ」

 

 

あい「さて、そろそろエンディングだね。楽しい時間はあっという間に過ぎてしまうな……」

 

紗枝「まぁ、残念やわぁ~」

 

周子「また呼んでくれるよきっと」

 

あい「そうだな……じゃあ、鳩を持って帰ってくれたら考えておこうかな」

 

周子「はーい」

 

あい「東郷あいのANN、出張版。お相手は私、東郷あいと、」

 

周子「羽衣小町のウケる方、塩見周子と!」

 

紗枝「……羽衣小町の、攻める方。小早川紗枝でした~」

 

あい「また会おうね。夏休みだが、体には気を付けて」

 

(続く)