愛とは、全人生をかけてアイドルにチェスを教えること。

フリルドスクエアと行く、奥深いチェスの旅。

一ノ瀬志希のブレイクタイム[思考について]

 

 コンピュータってなんだろうね。Does that make sense?

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 あたしにはよくわからない。何が分からないかって、車の危険性も知らないで車に乗る人のメンタリティかにゃ。或いは、自分が命を預けるモノに対して完全な理解は愚か、欠片も理解していないヒト。

 車のハナシ?コンピュータのハナシ?そーんな危ないヤツが果たしてこの世にいるのかにゃ~って思ったりした?

 

 にゃは。コンピュータとはそもそも何か、を知らずにコンピュータの前に向き合っている君はどう?どのくらいコンピュータのこと、知ってる?

 

 今日あたしが話すのは、思考のハナシ、または解について。

 車やコンピュータとは、はたまたチェスとは……カンケーあるかもしれないし、ないかもしれない!そもそも車だとかコンピュータとか、そんなデバイスはキミの想像の中にしかなくて、この世界だって君の脳内に広がる深層心理の反映的なサムシングかもしれないし。

 人間の発見なんてほとんど偶然で、ホントに『これを見つけよう』って思って一直線にそれだけ取って帰ってきたヒトって凄く少ないんだってば。だから、それを追体験するあたしと、君の足取りは自然に、自然科学を逍遥することになる。あ、単に逍遥するっていっても、自然に自然科学を称揚することが本当に自然なことなのか、とか考えながらの漫歩になるからね。

 あー……でも、偶然に見つけたモノであっても、アマクダリ的にワタシハ、コレヲミツケタ。コンナコトガワカッタ。ツギハコレニオウヨウシテ、コレヲミツケル。とか最初に書いちゃう方がカガクシャっぽいかなぁ?だったら、旅立つ前にここにサマリーだけ、残しておこう。お散歩の途中であたしを見失っちゃったら、またここに戻っておいでよ。

 

 Summary

  I can find some intersting behaviours in……

 にゃはは!冗談だってば~♪

 今日話すのは、思考について。3つのテーマ。『問題とは何か』『解とは何か』そして『考えるとは何か』だよ。興味深いことは……たとえば、ジグソーパズルのピースをバラバラに水に入れておくだけで、いつの間にかそのパズルが完成しちゃう魔法、のハナシとか!

 

・問題

 

 問題ってなんだろうね。って、今あたしはひとつ『問題』を提起したわけだけどさ。メタだね。

 メタって面白いよね。『質問してもいいですか?』とかさ、『考えるとは何か?』とかさ。

 そういえば、昔、学会でオモシロい問題聞いたことあるんだ~。あのね、『文章と答えが全く同じになる問題とはどんなものか』っていうんだけどさ。

 

 ……何の話だっけ。

 そうだ、問題。問題とは何か?

 

 分けることは分かることの始まりだ、ってエラい人が言ったらしい。問題を分けるとどうなるかな。

 例えば、『sinxの不定積分は?』って問題と、『あたしの今朝の歯磨きのブラッシング回数は?』って問題。これらの間にははっきり違いが認められると思うんだ。

 つまり、それは解がどこにあるか、って話。

 問題が与えられたときに、そこから解に至るまでの全ての情報が一緒に与えられていて、そこから解答が復元できるもの。これを『解内在型の問題』と呼ぼう。

 スーガクの問題とかそうだよね。ってか、そうじゃなきゃ怒るでしょ?『問い1.センセーの朝のルーティンワークを順番に答えなさい(50点・完答)』とか書いてあったらさ。解答が復元できないじゃん。これを『解外在型の問題』とでも呼ぼうか。何か考える時、二つに分けられないかなーって考えるのは科学の常だよね。

 

 チェスや将棋は、理論上どちらかが必ず引き分け以上に出来る。なんてったって二人零和有限情報確定ゲームだからね。ということは、最善手というのも理論上は存在するわけだよね~♪それは、二人のプレイヤーと、チェスセットから用意された最善のゲームが復元できるってこと。

 じゃあ、チェス・コンピュータはその『最善の手』とやらをあたしたちのムーブに対して返してるのかな?

 最近、動画サイトで将棋のタイトル戦とか中継してるのあるよね。あたし誰かが考えてる姿を観るのが好きだから時々観てるんだけどさ♪するとコメントで絶対『ソフトは76金を推奨』とか、親切に教えてくれる人がいるんだ。実際、違う手が指されたりすると『負けだな』とかって。この前ちょっとフシギだにゃ~って思って。

 それ、なんで正解だと思ってるの?

 最善の手なのかな?だったら正解だ。コメントなんてつけてる場合じゃない。『二人零和有限確定ゲームの一、将棋の完全究明について』とかいうタイトルで直ぐ論文に纏めないと!

 最善の手じゃないのなら、もしくはそれが最善かどうかわからないのだったら、それ以上でも以下でもないんじゃないかなって。少なくともどうやってソフトがその手を考えてひねり出して、あたしたちに教えてくれたのかを知らない人にとっては、さ。聴いててもらえば分かると思うけど、あたしはソフトを否定しているんじゃないよ。だって、最善ゲームがあるからといって、それが到底あたしたちの試行くらいじゃ追えないから、将棋も囲碁もチェスもオセロもあたしたちは楽しんでるわけだけど、それがコンピュータの力を借りて解明できるかもしれない時代が来たわけだよね!そりゃ、それぞれの文化を大事に思う人からしたら複雑な思いかもしれないけれど、科学者の端くれからしてみれば、わくわくすることだにゃ~って思うの!『ソフトの登場で将棋は終わった』なんて嘆かないでほしいじゃん。ようやっと、始まりに立ったんだって、サイエンティストしきにゃんは思うのです♪

 じゃあ何が言いたいかって?それは、よく知らないものを知らないままどころか、知ろうとしないままで使って、その結果だけを見て自分の能力が上がったかのように思いこんじゃうことの危険性だよ。車に乗って80km/hで飛ばせば事務所まで20分で着いたって、あたしが走るの速くなったわけじゃないし。自分が車と同じように走って飛ばそうと思った暁には、きっと死んじゃうよ~。

 べ、べつに、老婆心とかじゃないんだからねっ。いやほんと。これは、忠告ではなくて、科学者として知へ負うべき責任の一端ってだけの話だと思うんだ。

 

 あ、さっきの問題、答えの一例ね。

この文章を書きなさい

 どしたの、そんな狐に摘ままれたみたいな顔しちゃってさ~♪『やられた!』って思ったら、他にも答えがないか考えてみたら楽しいよ!

 

・解とは

 今、『他にも答えがないか』ってあたし言ったよね。

 でも、『1+1=』って質問で、『他にも答えがないか』とは、少なくとも一般的に想定される演算体系の中ではしない。なんでかって、無意味だし。『多角形を与える最小の直線の数を答えよ』って問題はどうかな?ユークリッド幾何に於いては無意味だけど、その敷居を取っ払ってあげたら、んふ、実は1角形も2角形もできるんだよね。興味があったらあとで球面幾何で検索してみて。

 身近なところだと、そうだなぁ、『さいころの展開図を描きなさい』とかどう?答えは一通りじゃないね。あれ、答えがいっぱいある?

 うん、一意に定まらない解が出て来る解内在型問題だって、いっぱいあるよね。当たり前と思ってるけど、それは人間サマの長所なんだってことは知られてなかったりして!

 あたしのプロデューサーはこの前、同期のプロデューサーのパソコンに入ってたHoneyWaffleっていう将棋ソフトと、1手5秒で対戦した結果1手負けしてこの世の終わりみたいな顔してた。なんでも、優勢だと思ってたら即詰みに討ち取られたんだって。このケースから抽出できる事実は……そうだね!『人間よりコンピュータの方が将棋が強い場合もある』っていうことかな。あたしのプロデューサー以外の人とも対戦させれば、試行回数が増えてもっといろんな分析が出来ると思うんだけど。まぁ、2017年現在、将棋はコンピュータのが人より強いらしい、というのが定説になってるワケだよね。だから、コンピュータの方が人より優れているのかな?

 

 もはや、あたしたちにはコンピュータに勝てることなんて何にもないのかな。だったら、明日からアイドルはelmoやPonanzaやHoudiniやAlpha Goにやってもらった方が……え?握手できないからダメ?あたしたちだって握手できな……それはメタだからダメ?にゃはは~♪

 

 ここまでの話で何となく気が付いてる人もいると思うな~。そう、コンピュータは『解が沢山でてくるものを苦手とする傾向がある』或いは『あった』、ってあたしは言いたいの。

 背景の話をしようか。っていっても、『赤ちゃんはどこからくるの?』っていうエレメンタリースクールの子どものいたいけな質問に対して『旧約聖書の創世記では……』って話をするくらい、背景の背景の背景みたいなハナシだけどさ。

 

 まず、『正しい』ってなんだろ。これを考えることが一歩目。

 いくつかある正しさのパラメータ。その中のひとつを数学の言葉で真偽値と呼んだりする。真理値と呼ぶ人もいる。なぜなら、真偽はコインの表と裏で、どちらかひとつがあればよいから。これは、命題の真偽を表すもので、TrueとFalseを吐き出すわけね。ここでは命題Pの真理値をv(P)って書くとしよう。すると、

『命題P : 1+1=2である』→v(P)=True

『命題Q : ユークリッド幾何に於いては三角形の内角の和は190度である』→v(Q)=False

『命題R : A whale is not a fish any more than a horse is.』→V(R)=True

ってな感じになるわけ。Trueを1で、Falseを0で表してあげると、v(P)=1みたいにいよいよ式にゃんで書けるよね~。

 

 あたしたちの世界では、色んな位取り記数法が使われているよね。n進法ってやつ。簡単に言えば、『何で次の桁に繰り上がるか』ってこと。あたしたちの指がたまたま10本あるから10進法が生活で最も使われてて、他には1分=60秒、1時間=60分の60進法とかさ。野球は、攻める側は4進法だけど守る側は3進法だよね。ベースは4つだしフォアボールは4カウンドだけど、カウントは3つでしょ?スリーストライク、ワンアウト。スリーアウト、チェンジってさ~。そうやってフェアを保ってるというのはキョーミ深い……深くない?

 あたしたちが蛸みたいな生物だったら、あたしたちの文明は何進法を基盤にしてたのかにゃ~。一応、足の数は自然数だから自然数を基本に自然を切り取ってたと思うんだけど。あたしたちが嗅覚依存で世界を捉える生物だったり、海水の濃度差を捉えて生きる生物だったとしたら、そもそも有理数とか実数とか、稠密な集合を生活の基調にしてたんじゃないかなっておもったりさ~、それはまぁ、いいか。

 0と1しか使わない記数法、2進法のハナシ。2進法の応用先といってまっさきに思いつくのが、コンピュータでしょ。じゃ、2進法って何が便利なの?ちなみに君は10進法を使っている限り両手で10までしか数えられないけれど、2進法を使えば1023まで数えることが出来る。こんな問題を考えてみよっか。古典的な問題。

『1000本のワインがあって、1つは毒が入っている。1滴でも飲むと、20時間ほどで死んでしまう。今から1日以内に、毒ワインを奴隷に飲ませることで同定したい。 最低何人の奴隷をつかえばよいか』

 酷い問題だね~。もともと学校を表すスクールって単語、あれはギリシャ語のスコラーから来てるでしょ。『暇』って意味だけど。学問って、昔は金も余暇もある暇人しかできなかったんだよ!生きるために労働しなきゃいけないから、ガクモンなんて!ってさ。だから、よく奴隷が出て来るのはそんな時代の名残なのかなって。

 

 まぁ、1000人奴隷がいれば一滴ずつ呑ませればいいんだけど。奴隷を使ってる時点で人道的も何もないけどさ、ロスは少ない方がいいはずだからもっと少なくすむ方法を考えよう。

 ここで、これまでの話を思い出して。

 例えば、ワインが2本でどちらかが毒入りと言う問題だったら、奴隷は1人でいいよね。どちらかから一滴飲ませて、死んだらそれが毒入りだし、死ななきゃ違う方でしょ。あたしは今『命題A : Aのワインが毒入りである』って仮定して、Aから1滴飲ませたともいえる。v(A)=Tor1なら奴隷は死ぬし、v(A)=For0なら奴隷は死なないから、Aじゃない方が毒入りってわけ。

 答えは10人だね。a^nで、『自然数aの自然数n乗』を表すこととするなら、2^9=512 < 1000 < 1024=2^10だよね。だから、ワインは1000本なら10人の奴隷でいい。

 

 真と偽だったり、ある集合とそれ以外の集合だったり、そういうものを考える時に、二進法は強力なツールたり得る、ってことだね。じゃあ、こんなのどう?

 

『命題S : 宮本フレデリカ一ノ瀬志希より自由人だ』

 

 これ、v(S)=不明、が『真』だよ。何でかって?『自由かどうか』あるいは『誰かを自由だと思うかどうか』は個体差と主観の温床だもん。『どっちか好きか』と『どっちが正しいか』は同じ括りじゃないってこと。客観的に『どっちが好きであるべき』なんて決められないっしょ~♪

 だんだんつかめてきたかなぁ、あたしたちが普段からやってる、『〇〇より××のがカワイイ』とか、そういう判別がコンピュータ様にはつきかねるんじゃない?ってことが。

 

 今まで喋ったことをちょっとだけ纏めると、真と偽からなる論理を二値論理っていうのね。対概念が、多値論理。そして、0と1、電流が流れる流れない、命題が正しい正しくない、の積み重ねで動いているコンピュータは二値論理の奴隷である、ここまでいい?

 何で命題Sのようなものが二値論理で扱えないかって言うと、『AもBも正しいが、AはBより正しい』っていうようなことが二値論理ではないから。対して、『アイドルAもアイドルBも可愛いけど、俺的にはAのが可愛いと思う』なんてのは日常茶飯事でしょ?これが今回の話に対しての、ひとつの視点ってこと。

 

 奏ちゃんが前に映画メモで、『東洋と西洋の世界観の違い』について言及してたけど、それこそ『光あれ』で光(=1)と闇(=0)に分けることを世界の基本としている西洋的科学観と、多値論理の渾沌を内包する東洋的世界観は違うのかもね。どっちが優れてるとかは、ないんじゃない?知らないけど。あ、シュレーディンガー仏教に触れて量子力学を確立したんだっけ!じゃあ、西洋科学を東洋哲学で以て更にキョーレツな学問に昇華できる可能性はあるよね~。

 

 正しさの上に、解って概念があるんだよね。そして、多い解が得られる様な問題は、性質上コンピュータは処理を苦手としている。……まあ、今のコンピュータは性能がいいから、そのハイスペックを活かしてなんとか多い解の問題も解けちゃってるのが現状なんだけどね!

 

 でも、多い解のものを解くのに特化したコンピュータ、なんて構想もあってね~。

 それが、さっき話したマホウの話だよ。

 水中に、ジグソーパズルのフレームとピースを放り込んでおく。放っておけばそれは勝手に完成されている――夢物語だと思うでしょ!この技術は、実現されているよ。

 

 可能にするのは、あたしたちを作っている遺伝情報の担い手、DNA。なんといっても、このマホウの名前は『DNAコンピュータ』っていうんだから!

 ニコイチでつながってるピースがあるとする。これは、お互いに引き合うから、放置しておくと自然に繋がる。しかも、絶対繋がるペアは決まっている。

 ……そして、これはどうにかすればバラバラになるけれど、その条件を取り除いてやればまたピースどうしで結合する。

 この性質を持っているのが、DNAなんだね♪熱を加えてやれば、ばらばらになる。普通の温度に戻れば、またもとのように戻る。こういう性質を自己組織化って呼んだりするんだけどさ。そしてDNAは自己複製をする。

 このDNAの自己組織化を応用したのが、DNAコンピュータで、普通のゼロとイチからなるコンピュータと何が違うかわかるかな。

 自己複製をするんだから、1つのDNAは2つになって、2つのDNAは4つになるんだよね。まぁ、材料は必要だけどにゃ~。

 うんうん、並列処理が可能ってこと、なんだね。つまりは、『解が沢山出て来る問題』を解ける!ってこと。これを応用して、実際にハミルトン路の問題を解かせたなんて取り組みももうなされてるんだよ。ハミルトン路はあたしの前々回の講義参照~♪

 当然、理論上はチェスも解ければ、数学の難問だって解ける。

 実用段階ではないけど、それは技術的な問題のせいだね。小型化が難しかったり、費用が嵩んだりさ。ま、そんなコンピュータもあるんだ程度に知っといてくれたら面白いかなって思っただけだよ。

 他には、何かの濃度の違いを感知して動くような、『濃淡コンピュータ』とか、どうかにゃ、って思ってるんだけどね。まだまだ、ハードの発展も待たれる、ってカンジ。

 

・思考とは

 最後は思考のハナシをしようかな。思考について思考する、というのはメタだけど。

 

 思考を考えることすなわち、思考法を考えること。

 大別してふたつ、思考法を紹介しようか。 

 垂直思考水平思考っていうんだ。

 

 まず、ひとつ問題ね。

 あるLiPPSの握手会の後、あたし・塩見周子城ヶ崎美嘉速水奏宮本フレデリカの5人のアイドルは、各々がちょうど2回ずつ居眠りをしていた、とプロデューサーに叱責された。さらに、プロデューサーが言うことには、

『2人が同時に居眠りしている時もあった』

 とのこと。どの2人を選んでも、2人が同時に居眠りしていることがあったとお冠。プロデューサーは結構怒っていたが、そこで塩見周子が『別に5人中2人なら半分以上起きてるしいいんじゃん?』と素朴な疑問をぶつけた。

 しかしそれを聞いたプロデューサーは更に怒って、『そんなわけないだろ!』とのこと。アイドルが握手会で寝てたらダメか~、と思った矢先、あたしは閃いてこういった。

『そうだよね。半分以上起きてればいいけど、3人同時に寝てるのは不味いよね』

 

 さて、問題。この握手会で『3人のアイドルが同時に寝ていた』ことを証明せよ。

 

 どうかにゃ~?

 3人のアイドルが同時に居眠りしていたことはない、と仮定して、矛盾を導こうか。

 2人のアイドルだけが同時に居眠りしていた回数って、少なくとも10回以上だよね。最低1ペアずつ居眠りしてたとして、志希と周子、志希と美嘉、志希と奏、志希とフレデリカ、周子と美嘉、周子と奏、周子とフレデリカ、美嘉と奏、美嘉とフレデリカ、奏とフレデリカの10ペアだもん。

 でもさ、2回目の居眠りが起きるためには少なくともその時点で3人寝てるよね。だって、3人以上が同時に寝てたことはないって今仮定してるからさ。ってことは、10回の居眠りが起きるためには少なくともその時点で延べ11人が寝てるわけで……ってことは、『5人が丁度2回ずつ、延べ10人しか寝てないのに』、延べ11人寝てることになって、それってヘンじゃない?

 つまり、矛盾!だから、3人寝てたときもあるのでした。Q.E.D.

 

 こういう従来の論理的分析を要するような問題の解決法が、垂直思考。ひとつひとつわかったことを積み重ねて行って、垂直に積み上げていく感じ。論理を深めるにはうってつけだけど、新しい発想は生まれにくい。

 新しい発想を生む思考法が、水平思考ってわけ。何かをランダムに選んで、連想ゲームみたいにイメージを広げていったり、既成概念全てを疑ってかかったり、ってカンジ。

 水平思考を題材にした、こんな有名な問題があるよね。ウミガメのスープっていうんだけど。

 

 ある男が、とある海の見えるレストランで「ウミガメのスープ」を注文した。
 しかし、彼はその「ウミガメのスープ」を一口飲んだところで止め、シェフを呼んで「これは本当にウミガメのスープ?」と訊ねた。「ウミガメのスープに間違いない」というシェフの答えを聞いた彼は、勘定を済ませレストランを去った後自殺した。

 これはなぜか?

 

 何でだろ~ね~。これはさっきみたいな論理の積み重ねじゃ解けないよね。

 何か、根本的にガラッと発想を変えないと。

 これはゲームだから、解答者は出題者が『イエスかノー』で答えられる質問をし、その答えを手掛かりに用意された解答へと進んでいく、っていう形式が多いんだけどね。ちなみに、前にLiPPSでやったときはこんな感じ。

 

塩見周子「お腹すいた~ん。この近くにレストランってあったっけ……あ、そのさ、『海の見えるレストラン』ってのは関係あるん?」

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志希「うん、ちょっとあるよ~」

速水奏「男が自殺したのは借金が原因?」

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周子「スタージュエル買いすぎたんやね」

志希「んーん」

宮本フレデリカ「男の職業は?」

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奏「それ、イエスノーじゃこたえられないでしょ」

フレデリカ「フフンフンフーン、プロデューサー♪」

城ヶ崎美嘉「あ、はい!『ウミガメ』ってのが大事、とか?」

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志希「そうだよ~」

奏「となると、海に関係するのよね。……待って。それホントに『ウミガメのスープ』だったのかしら?」

志希「そうだよ~」

美嘉「自殺するほどまずかった?」

志希「ちがうよ~」

フレデリカ「あ、スープにされちゃったのがペットのウミガメだったとか!」

志希「ちがうよ~」

周子「前に食べたウミガメのスープになんか嫌な思い出でもあったんかな」

奏「ウミガメのスープ、食べたことあって注文したのかしら」

…………

美嘉「わかった!かも。その男の人、過去に海難事故とかで遭難したことがあるでしょ」

志希「お、そうだよ~」

美嘉「だから、そのときにきっと『ウミガメのスープだよ』って言われて何か食べたことがあるんだよ」

奏「なるほど、それが人肉だった、ってことね。大方、共食いで生き延びていたところ、その人だけは頑なにそれを拒んでいた、ってところかしら。見かねた仲間が、『ウミガメのスープ』と称して彼にそれを食べさせたから彼は生き延びることが出来た。そして、レストランで本物の『ウミガメのスープ』を食べてそれに思い当たって、良心の呵責により自殺……ってところ?」

志希「そうだよ、よくわかったね~」

 

 ……と、こんなカンジだったかな。これが水平思考の一例だよ。発想法自体を発送する、みたいな!こういうのも、きっとコンピュータの苦手分野で、それこそあたしたちの得意分野なんだろうな……って推論がもうきみにはつくでしょ?

 

 そうそう、今『推論』って言葉を使ったけど。垂直思考の論理的推論もさらに3つくらいのパーツに分けられると思うんだ。それが、『演繹的推論』帰納的推論』そして『仮説的推論』ね。ディダクションインダクション、アンド、アブダクションって言ってもいいけどさ。

 まず、普遍的な前提から、特殊的な結論を得ようとする論理的推論が『演繹的』。そして、特殊的な具体例から一般的な法則を見つけ出そうとする論理的推論が『帰納的』。そしてその事象を最も適切に説明しうる仮説を導出しようとする論理的推論が、『仮説的』てことね。

 

 

 今日の講義は、こんなカンジでいいかな?コンピュータさんとヒトの違い、それを思考という観点から考えてみて、あたしたちの思考がコンピュータに勝っているところを模索してみた。この考察を、自分の思考法をブラッシュアップするために使ったり、まぁどう使うかはきみ次第、ってところでいいかにゃ?

 

 そうだ、最後に、このコーナー恒例の、誰かの名言を紹介して終わろう!

 あたしが思いつくのは~……そうだな、これなんてどう?

――We like to think.

 これは、ガルリ・カスパロフカスパロフやカルポフはなぜ頻繁に時間逼迫に追われてしまうのか、と訊ねられたときの、彼の答え。

 うん、いいね♪ We like to think. I like to think, and do you like to think?

 

(続く)