愛とは、全人生をかけてアイドルにチェスを教えること。

フリルドスクエアと行く、奥深いチェスの旅。

幕間:チェスゲームは雪解けの調べと共に

 

宮本フレデリカ「……」

f:id:rikkaranko:20170427213104j:plain

 

フレデリカ「……」ハァ

 

???「どうしたの、そんなに辛気臭い顔しちゃって」

 

フレデリカ「あ……奏ちゃん」

 

速水奏「敗戦の痛手、ってところかしら。らしくないわね」

f:id:rikkaranko:20170427213250j:plain

 

フレデリカ「えっへへー、そんなんじゃないよ」

 

奏「そう。ならいいのよ」

f:id:rikkaranko:20170427213746p:plain

フレデリカ「やっぱ、らしくないか~……ところで、フレちゃんらしさ、ってなんだろうね?」コトン

f:id:rikkaranko:20170427213849p:plain

奏「……さぁ?知らないわよ、そんなの」スッ

f:id:rikkaranko:20170427213912p:plain

フレデリカ「……んー、奏ちゃん冷たいなぁ?」

 

奏「逆に何か、言葉が欲しいのかしら?」

 

フレデリカ「こーいうときはさ、優しい言葉を掛けてくれてもいいんだよ~」コトン

f:id:rikkaranko:20170427214020p:plain

奏「……私は、そんな物騒なもの、扱ってないの」スッ

f:id:rikkaranko:20170427214109p:plain

フレデリカ「むふふ、奏ちゃんらしいや」トッ コトン

f:id:rikkaranko:20170427214237p:plain

奏「……そうかしら?」スッ

f:id:rikkaranko:20170427214327p:plain

フレデリカ「アタシからチェスをとっちゃったらさ~、ただの様子のおかしい可愛いフランス人になっちゃうよ~」スッ コトン

f:id:rikkaranko:20170427214442p:plain

奏「……意外と大丈夫そうねアナタ……」スッ スッ

f:id:rikkaranko:20170427214536p:plain

フレデリカ「実際、最近本気で戦って、誰かに負けたのって久しぶりでさ~……ちょっとわからなくなってるのカモ?」コトン

f:id:rikkaranko:20170427214707p:plain

奏「……」スッ カン

f:id:rikkaranko:20170427214747p:plain

フレデリカ「なんだろ~、チョーシ狂っちゃうなぁ」スッ コトン

f:id:rikkaranko:20170427214847p:plain

奏「強がりは辞めにしたら?」ガン

f:id:rikkaranko:20170427215003p:plain

フレデリカ「……!」スッ スッ

f:id:rikkaranko:20170427215059p:plain

奏「何がフレデリカらしいか、なんてバカみたい。全部ひっくるめてのアナタでしょ」スッ カタン

f:id:rikkaranko:20170427215204p:plain

フレデリカ「……」スッ コトン

f:id:rikkaranko:20170427215549p:plain

奏「でも、少なくとも『何かの所為』にしているのは、貴女らしくない。そうじゃない?」スッ スッ

f:id:rikkaranko:20170427215649p:plain

フレデリカ「……なんのことかなー?」スッ コトン

f:id:rikkaranko:20170427215813p:plain

奏「んもう、わかってるくせに。変なトコ依怙地なんだから」スッ

f:id:rikkaranko:20170427215930p:plain

フレデリカ「フレちゃん、ニホンゴ、ワカンナイ」スッ コトン

f:id:rikkaranko:20170427220133p:plain

奏「負けたのは、それは、悔しいでしょう。でも、それよりもっと大事なことがあるんじゃない?」スッ スッ

f:id:rikkaranko:20170427220352p:plain

フレデリカ「……」スッ コトン

f:id:rikkaranko:20170427220445p:plain

奏「ほら。それが、貴女でしょ」スッ スッ

f:id:rikkaranko:20170427220709p:plain

フレデリカ「……」スッ コトン

f:id:rikkaranko:20170427220756p:plain

奏「久しぶりに、ギリギリのゲームをして、昔を思い出しちゃったのでしょう?」スッ スッ

f:id:rikkaranko:20170427220910p:plain

フレデリカ「……!」コトン

f:id:rikkaranko:20170427220958p:plain

奏「……フレデリカ、アナタにはやっぱり彼女が必要なのよ」スッ

f:id:rikkaranko:20170427221100p:plain

フレデリカ「……だって……」コト

f:id:rikkaranko:20170427221149p:plain

奏「だって、もヘチマもないわ。アナタも世話が焼けるんだから」スッ

f:id:rikkaranko:20170428135433p:plain

フレデリカ「……?」コトン

f:id:rikkaranko:20170428135500p:plain

奏「……出てきたら?」

 

????「……」

 

フレデリカ「あ……」

 

鷺沢文香「……」

f:id:rikkaranko:20170427221443j:plain

奏「じゃあ、私はこれで」

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

フレデリカ『ん~、文香ちゃんには、アタシのとっておき、教えちゃう!』

 

文香『……とっておき、ですか?』

 

フレデリカ『とっておき中のとっておきだよ~!なんてったって、フレん家・ディフェンスっていうんだから!』

 

文香『……フレンチ・ディフェンス、ですか?フランス防御、はて……』

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

文香「……アナスタシアさんとのゲーム、全部観ていましたよ」

 

フレデリカ「あ、そうなんだ、えへへ。カッコわるいとこ見せちゃったなぁ……」

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

文香『……フレデリカさん、お時間宜しかったら、今日も一局……』

 

フレデリカ『おー!文香ちゃん、チェスやる気になってくれたんだネ!』

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

文香「……いえ!格好悪いだなんて、そんな……」

 

フレデリカ「フレちゃん頑張ったんだけどなぁ、負けちゃった、えへへ」

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

フレデリカ『文香ちゃん、筋がイイんだね~!』

 

文香『そ、そうですか?……書を読んで、駒を並べて……こういう時間は、好きなのです』

 

フレデリカ『このままだと、いつか抜かされちゃうかも!』

 

文香『……そ、そんな、私なんてまだまだです。これからもいろいろ教えていただいて……』

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

文香「……貴女らしい、良いゲームだったと、思います」

 

フレデリカ「……本当?」

 

文香「えぇ。……貴女らしい、チェスに真っ直ぐな」

 

フレデリカ「……」ポロ

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

フレデリカ『もう文香ちゃんに勝てなくなっちゃったなぁ……』

 

文香『……チェスに誠実で、真摯で、そんな師に教わったから、です』

 

フレデリカ『悔しいけど、フレちゃん嬉しい!文香ちゃんとなら、まだまだ強くなれそうだな~』

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

文香「……私が好きだった、あの宮本フレデリカの、チェスでしたよ」ポロ

 

フレデリカ「……」ポロポロ

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

フレデリカ『もー!全ッ然ダメ!こんなバカな手指すくらいなら、指さない方がマシって感じだよ~』

 

文香『……』

 

フレデリカ『こんなんじゃあ全然ダメだぁ!もー、辞めちゃえってくらい酷い手だよ』

 

文香『……そんな、そんな言い方をするフレデリカさんは嫌いです』

 

フレデリカ『……え?』

 

文香『貴女とは、もう指せません。貴女は、私の友人を、罵ったんです』

 

フレデリカ『……ちょ、ちょっと?!』

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

フレデリカ「アタシ、まだまだ強くなりたいんだ……」

 

文香「……はい」

 

フレデリカ「アーニャちゃんには完敗しちゃったけど、久しぶりにガチンコで勝負できて、楽しかった」

 

文香「……」

 

フレデリカ「でも、ボードを挟んでたのは、文香ちゃんじゃなかった」

 

文香「……!」

 

フレデリカ「アタシ、まだまだ強くなりたいんだよ~!それで、アーニャちゃんに勝たないと……もう、自分のチェスに背中を向けるようなことはしないからさ……だから……」

 

文香「……」

 

フレデリカ「……また、アタシと一緒に、研究会を、してくれ……ない……かな?」

 

文香「……」スッ

f:id:rikkaranko:20170427223244p:plain

フレデリカ「……!」

 

文香「……私でよろしければ、また、お願いします」

 

フレデリカ「……文香ちゃん……文香ちゃん!」

 

文香「……わ、私だって、言い過ぎてしまったと、ずっと……思ってて……」

 

フレデリカ「……うあ~!……よかったぁ……」

 

文香「……ひとりで並べるチェスほど、寂しいものもないのだと気が付いたのです……」

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

奏「……『心優しいものにチェスはできない』っていうのは、まるきりの嘘かもしれないわね。チェスへの熱では、ロシアの氷も融けてしまうのかしら……なんて。うふふ」

 

(続く)