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愛とは、全人生をかけてアイドルにチェスを教えること。

フリルドスクエアと行く、奥深いチェスの旅。

第3回 桃井あずきのチェス・プロブレム大作戦!

 

 やる気、元気……桃井~??

 

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あずき!!!

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 はい!『桃井あずきのチェス・プロブレム大作戦!』今日は3回目だよーっ

 

 まずは前回のあずきからの宿題から、いっしょに観ていっこか!前回は実戦譜面の一局面から、全部で2題だったね!

 

(Problem.1 Black to move, #2)

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 みんな気を付けて!今回の問題は両方とも『Black to move』つまり黒番を持って白を詰める問題だからねーっ。

 

 #2、つまりMate in 2だと言うことは、初手がすべてってことだね。3ムーブで詰めるということから見えちゃう人もいるのかな?

 このプロブレムのキモは、このf5に居るビショップが常に銃口の照準をキングの隣のマスに合わせている、ってことなんだ!

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(f5のブラック・ビショップのダイアゴナルがホワイト・キングの行き場を制限している)

 あるいはフレデリカさんや柚チャンみたいに、詰め上がりのイメージから逆算できちゃう人もいるのかな?

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(bポーンさえいなければ、Ba3はチェックである)

 正解手順は、1. ... Qc3+ 2. bc Ba3# までだよ!

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(詰め上がり図は2. ... Ba3#まで)

 

 詰みがある、という前提で問題として出されたらわかるかもしれないけれど、この形を知らずに実戦のエンドゲームで見て即座にクイーンをサクリファイスに召し上げられる人ってなかなかいないんじゃないかな。18世紀に見出されてからたびたび取り上げられ続けて、今日まで至る、そんな有名な詰み筋の問題でしたーっ

 

(Pro.2 Black to move, #5)

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 次の問題はこれだね!

 

 5手メイトということは黒白合わせ全部で9回動かすわけだけど、この図みたいにキングサイドにキャスリングをした側の端のファイルがオープン・ファイルになっているときは、こんどからこんな風にピースの動きをイメージして、相手のキングを自分のピースがどれだけ縛れているか、ってよく見て欲しいな!

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(あずきから見えている風景。ホワイト・キングは十重二十重に縛られているのがわかる)

 と、いうわけで、初手1. ... Rh1+と捨てる手が正解だね!

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 h1のマスにはBc6の紐が付いているので、これは見る聞く無しにナイトで取る2. Nxh1の一手。そこでナイトが退いたので、Bh2+とさらにビショップを捨てるのが味良い連続チェックだね!

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 今度はキングで取る3. Kxh2の一手に、Rh8+とオープンになっているhファイルをフルに使うチェックで、4. Kg3とホワイト・キングを釣り出すよーっ

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 これはナイトを跳ねるNf5+がキングの行き場を限定しながらのチェックになるね!

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(あずきアイ。×は黒のビショップ、ルーク、ナイトによって潰されているホワイト・キングの逃げ場である)

 これはキングが4ランクに逃げて来る5. Kf4/Kg4いずれの手に対してもRh4+とルークの横利きで第4ランクを制圧してあげて一丁上がりっと!

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(詰め上がり図は1. ... Rh1+ 2. Nxh1 Bh2+ 3. Kxh2 Rh8+ 4. Kg3 Nf5+ 5. Kf4 Rh4#まで)

 

 あずきアイから見ると、「ここに動かしてくれぇ~」っていうピースの声がなんとなく聞こえてくるようだけど、実はこのゲーム、実際の進行は問題図から黒が1. ... b6としてドロー宣言、引き分けに終わった試合なんだよ!で、このゲームを誰がプレイしたのかと言うと、これは1897年にドイツ・ベルリンで行われたシッフェルスv.s.チゴリンの試合の終局なんだ!ミハイル・チゴリンはチゴリン・ディフェンスにその名を残しているロシア人だけど、実は今日の世界一のチェス大国・ロシアの生みの父ともいえる、存在の天才棋士なんだって、アーニャさんが教えてくれたんだ!そして、そのチゴリンに影響を与えた偉大なプレイヤーの一人こそ、白番のシッフェルスなんだって!この二人が、現在の緻密で論理的で芸術的なロシアンチェスの体系を作ったと言っても過言じゃないんだって……そんな二人の対局で、この答えを言って並べてしまえば単純な5手メイトが見過ごされたこともあった、というのは勇気が出る人もいるだろうし、チェスにおける終盤の技術の異質さにびっくりする人もいるかもねーっ

 

 しかも、上に紹介した二つの問題はどっちも、『全ての手がチェックでなくてもいい』チェス・プロブレムにあって、全ての手が相手の応手を強制するチェックになっている、という、逆に言えば変化の余地がない一直線の詰みで、実戦に於いては一番読みやすいタイプのコンビネーションなんだよね。それでも、しかも大天才たちでもエンド・ゲームを機械のように勝ち切ることは難しい、という事実はきっと、何かをあずきたちに教えてくれているんだよね、たぶん!

 

 今日あずきが皆に持ってきたのは、全部で3問。意地悪をするわけじゃないんだけど、全部実戦局面から持ってきたヤツだから、『何手メイト』かは今日は言わないでおくねっ!ただその局面を、『詰みがあるはずだ』と見ることで、正解手順を見つけて欲しいなぁって、あずき思うんだ。

(Problem.1 White to move)

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(Pro.2 White to move)

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(Pro.3 White to move)

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 さ、みんなも考えてみてね!

 

 

 今日紹介するメールはこちら!「ミミミングルコサミン」さんからだよ!

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スタディとプロブレムは、どちらに比重を置いて勉強するべきだとあずきちゃんは思いますか?

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 うーん……これはねぇ……好きな方でいいと思うんだ!その上で答えるなら、あずきはプロブレムが好きだなぁって。チェスから離れて、ひとつのパズルを解いているような気分になるもんねーっ あ、そうそう、この前事務所で志希さんマキノさんと話したときに、『チェスのソフトは将棋のソフトに比べてメイトが精確な印象がある』という話題になったんだけどね!マキノさんが分析するには、ひとつにこのチェス・プロブレムの数学的な、論理的な美しさが、西洋の数学者でチェス・プロブレムを研究する人たちを魅了していたという事実が背景にあるから、長手数の詰みが苦手とされる将棋のソフトに比べて、フリーのチェスソフトでもメイトを正確に読み切るようなものが出回っているんじゃないか、って。志希さんは他にも、偶奇性の違い、つまり盤のマス数の違いだとか、取った駒を打ち直すという行動をどう函数で評価させるかの違いなんかもあるのだろう、って補足をしていたかな。

 

 今日紹介しなくていつ紹介するの!っていうような名言が、こっちら~♪

――序盤を勉強すると序盤が分かるが、終盤を勉強するとチェスが分かる。

 これは文香さんに教えて貰った、Gerzadowiczの言葉だよっ!なるほどねぇ……エンドゲームにこそ、チェスの全てが詰まってるのかもしれない。だとするとやっぱり、終盤の技術を磨くことが棋力アップ大作戦の近道なんだ、っていうあずきの狙いもそうそう外れたものじゃないのかも?!また会おうね、桃井あずきでした♥

 

(続く)