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愛とは、全人生をかけてアイドルにチェスを教えること。

フリルドスクエアと行く、奥深いチェスの旅。

第1回 桃井あずきのチェス・プロブレム大作戦!

 

 元気!やる気!あずき!それーっ、『桃井あずきのチェス・プロブレム大作戦』の時間だよっ。

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 フリスクの、他のみんなの回はもうみなさん見てくれたのかなっ?

 他のみんなのヤツはもう放送されてるのに、一向にお鉢が回ってこないので、あずき放置大作戦なのかと心配してたんだよっ。穂乃香ちゃんも柚ちゃんも4回目まで撮り終わってるって言うし……なんでかなっ?

 

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べ、べつに忘れてたわけじゃないんだからねっ

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 ……まぁいいかっ。とにかく、あずきとチェスの棋力をアップする作戦、始めよっか。一緒に作戦、成功させよっ!

 えーと、穂乃香ちゃんが定跡の一手一手を大事に解説してて、柚ちゃんは対局の流れを重視した紹介で、忍ちゃんが……実戦解説だねっ!忍ちゃんの第1回目で取り上げられたゲームはあずきの会心譜だったよっ。ちなみに、ソコルスキー・オープニングは早石田、って感じがするけど、石田流本組ではないかな、って気があずきはしてるんだ。初手でe4突いて、キングサイドにキャスリングしてビショップをキングの前に持って来る様な展開はときどき見かけるけど、楠本式に近いかな?ねんてねっ。

 あずきが、このコーナーでやろうと思うのは、タイトルでも言ったとおり、チェス・プロブレムだよー。日本語風に言うと、『詰めチェス』とでもなるのかなー?詰将棋、って言葉はあるけど、どうなんだろ……詰将棋とチェス・プロブレムは、相手の玉やキングを詰める、というので似てるけど、全部の手が王手じゃなきゃいけない詰将棋と違って、チェス・プロブレムは最後の手以外はチェックじゃなくていい(=最後の手は絶対チェック・メイトだよっ)っていうのがポイントだねっ!

 なんであずきが詰めチェスを紹介して解説したり投げっぱなしにしたりするコーナーをやろうかと思ったかって言うと、将棋を上達するためには詰将棋って不可欠だと思うんだよねっ!終盤力、とかそういうのって、実戦より前にどれだけ備えられるかだと思うしさー。あずきはフリスクの他の3人と違って、もともと将棋をちょっとやってたから、将棋でやったような勉強法がチェスにも導入できないものかなーって思ってるんだ!あずきのセンス、通じるかなっ?

 

 まずはチェス・プロブレムについて、説明だよっ!

 チェス・プロブレムにはいくつか種類があってね。将棋で言うところの『次の一手問題』『詰めろ問題』『詰将棋』を全部一緒くたの括りにしてる、みたいな感じかなー?本当の所をいうと、チェスの実践力を培うような創作問題の中で、『手数制限が掛かっているもの』を特にチェス・プロブレムっていうんだよ!掛かってないやつは別に『スタディ』っていうことが多いかな。

 

 1つ目は、ダイレクト・メイトって呼ばれるタイプだねっ。一般的にプロブレム、っていったらこれを指すことが多いかな。大体詰める側が白番だね。黒のキングしか局面図に無いことが多いんだよーっ

『mate in 2』と書いてあったら、白黒合わせて全部で3回手を動かす、ってことだよっ!先手後手が1ムーブずつで始めて1手、って数えるチェスの手数計算は、将棋に慣れてると最初はちょっと戸惑うよねぇ……。

 あとは、詰将棋では使われない概念だけど、『手数を引き延ばす様な手は、詰められる側は使っていい』っていうのがあるよ!だから、n手問題、つまり『mate in n』って書いてあるのは、将棋のn手詰め(=必ずn手で詰む)っていう意味じゃなく、『詰められる側がどのように応じたとしてもn手以内で必ず詰めろ』っていう意味だと解釈するのがいいのかもねーっ!この条件の為に、初手が定まる問題が多いよ!

 2つ目はヘルプ・メイトって言われるやつだねー。黒番が初手を指して、その後は先手後手が協力して黒のキングを最短手数で詰ませる、っていうやつだね。

 3つ目は、セルフ・メイトってやつかな。白番が初手を指すんだけど、黒がどうやっても白のキングを詰ませてしまう、っていうやつだよ。

 4つ目は、リフレクス・メイトってやつだね!セルフ・メイトと基本一緒なんだけど、先手後手とも、次の1手で相手をチェックメイトできる場合は必ずその手を指さなくてはいけない、っていう条件付きの問題のことだよーっ

 

 ね、1つ目のプロブレムの意味は、詰め碁・詰将棋をやったことがある人とか、そういうのがあるって知ってる人なら、あー終盤力の練習だよね、ってなると思うんだけど、2,3,4つ目って何が目的なのかよくわからないよねっ?あずきも最初に言われたときはわけがわかんなかった!

 でも、チェスのルールをおさらいしてみれば何となく見えてくるんだよっ!

 まず、ステイルメイトがあるよねっ?ということは、どれだけ詰められそうになっても、相手が最善の手順で迫ってきて尚こちらがステイルメイトの局面に誘導することが出来るなら、その局面はチェスでは理論上ドローなんだよ!だから、ある意味『敗勢かなっ?』って思ったあと、どれだけシビアに詰み手順を読めるかもチェスの棋力になるんだよね、面白いよねっ!

 それから、『連続王手の千日手はチェスでは引き分けになる』っていうのも大事なルールだよね!あ、ちなみに将棋の千日手は同一局面4回で成立するけど、チェスでは3回目で成立だから、気を付けてね!同形三復、とかスリーフォールド・レペテーションとか言うよ。連続王手の千日手、にあたるチェス用語はパーペチュアル・チェックっていうんだよっ!最終盤で駒が減り消耗戦になりやすいチェスでは、敗勢側がパーペチュアル・チェックを狙っていくのは基本的な戦術になるからねー。特に、クイーンって駒の特徴を逆手に取るのがポイント!序盤、中盤はクイーンって駒は利きが多くて、隙が無くて強い駒だよねぇ、でも、ステイルメイトやパーペチュアル・チェックがあるような終盤の局面では、迂闊に動かすと相手のキングにチェックがかかってしまったり、相手のキングの行き場所をなくしてしまったりと、多すぎる利きが逆に厄介になることもあるの!隙がないのも困り者だねっ!

 

 さてさて、前置きが長くなっちゃったけど、実際にあずきといっしょにプロブレム解いてみよっか!今日持ってきたのは、全部ダイレクト・メイト問題だよーっ

 

(1)

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(Problem.1 : White to move, mate in 3)

 これは、世界で一番有名なプロブレムかもしれないねっ!なんでかって、紀元840年に作られたと言われている、世界最古のプロブレムとして知られてるやつだからだよーっ。ちなみに、mate in 3 のことを#3なんて書くことも多いかな?将棋風に言えば『5手詰』だよ!White to move っていうのは白先手、って意味だね!

 考えて貰ってる間に、ちょっとザツガクを紹介するねーっ。これは、フィレンツェの図書館に移しが収蔵されているんだって!もう気がついちゃった人もいるかもだけど、この問題、全部チェックなんだよね!詰将棋とおなじじゃーん、って。そうなの!1800年代半ばまでのプロブレムは、実は全部詰将棋と同じオールチェックの形式なんだよ。

 解答手順に行こうか!まずeファイルが白ルークで押さえられているから、黒キングは広い方に逃げ出せないのを確認しよう、すると初手は1.  Nh5+でいいよね!するとこれは取らない手がないから、Rxh5で、ここまで必然だよねっ!

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(Solution.1.1 : 1. Nh5+ Rxh5 まで) 

 さっきの1手で黒のキングはh5に逃げられなくなったよねっ!ということで黒から見て左辺に追い詰めてあげればいいから、2. Rxg6+ Kxg6と、また取らざるを得ない様なチェックを掛けながらgファイルに引き摺り出そう。そうして、Re6#チェックメイトだーっ

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(Sol.1.2 : 2. Rxg6+ Kxg6 3. Re6# まで)

  プロブレムって、こんな感じ!次に行こっか!

 

(2)

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(Pro.2 : White to move, #2)

 これはどうかなっ?

 まず考えることは、全部チェックの連続でいけるかな?ってところだよねーっ、それで、最初にRa8+とRh8+が思いつくけれど、これは1. Ra8+ Nd8や1. Rh8+ Nf8とナイトの合い駒が利いちゃうんだよ~この時点でmate in 2が消えちゃうよね。この条件が無ければナイトとルーク片っぽ交換した後キング動かしてじりじりやってもいけそうなのにーって。

 だから、初手はチェックじゃないんだよっ!やっとプロブレムっぽくなったね~!

 正解手順は、1. Rab7が必然手だね!ルークはを第7ランク、第8ランクの両方に利かせてチェックメイトを目指すから、初手がチェックじゃない以上、ルークを第7ランクに動かす手が初手になるわけだけど、aファイルのルークがここに動く以外の手だと、キングかナイトのいずれかにルークが取られるよ!

 キングが動く場合(A)と、ナイトが動く場合(B)で場合分けして考えると、

(A) 1. ~ Kd8 には2. Rb8#があるねっ!1. ~ Kf8には2. Rh8#だね!

(B) 1. ~ Nc7 には2. Rb8#が、1. ~ Ng7 には2. Rh8#が、1. ~ Nd8 には2. Rh8#1. ~ Nf8 には2. Rb8#があるよーっ、確認してみてねっ!

 

(3)

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(Pro.3 : White to move, #4)

 今日の最後だよっ!これは次回までの宿題大作戦ってことでいいかなっ!

 

 最後に、お手紙を読むんだよねっ。今日のお便りは……っと、「金魚になってあずきちゃんに掬われたいP」さんからだよっ!

 

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あずきちゃん、こんにちは!あずきちゃん将棋棋士ではだれが好きですか?

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 えーっと、あずきは、田丸昇先生かなっ!もう引退なさったけど、長野の誇る名棋士だよっ!

 

 締めは誰かの名言なんだっけ?柚ちゃんのは、名言じゃなかった気がするけどねーっ

 あずきが今日紹介するのは、これ!エマヌエル・ラスカーの名言だよっ!

――良い手を見つけたら、もっと良い手を探しなさい。

  もっと良い手はないか、常に探す最高のレッスンこそ、チェス・プロブレムだとあずきは思うよっ!それじゃ今日はここまで!桃井あずきでしたーっ

 

(続く)