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愛とは、全人生をかけてアイドルにチェスを教えること。

フリルドスクエアと行く、奥深いチェスの旅。

チェスのテクニックについて(その1アンパッサン/ピン/スキュアー/ディスカバーアタック(+符号の確認練習))

 

桃井あずき「ねぇねぇ、この後ってどうやってチェスのお勉強してったらいいと思う?穂乃香ちゃんと忍ちゃんには出遅れちゃったから、良かったら一緒にお勉強しない……?」

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喜多見柚「アタシもそうやって言おうかと思ってたんだ!へへっ……そうだねぇ……やっぱり奏さんに教えて貰ったみたいに、オープニングのラインとかを本で勉強して……って感じなのかなぁ」

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あずき「それも大事なんだろうなぁって思うんだけど、かなりいっぱいあるみたいだし……その中には全然出て来ないようなヤツとかもあるはずでしょ?そういうのをわからずやみくもにやってもなぁって思うし……」

 

柚「そうだねぇ……それに、オープニングばっかりやっても、実際ゲームができるの?っていうのはあるよねぇ……」

 

あずき「そうなの!かといっていきなり実戦やってもダメダメでしょ~?チェスってどんなゲームなのかなって考えてもいまいちよくわからないし……」

 

柚「そうだよね……やっぱりなにからやる、っていう指針をもらうのは大事かなぁ」 

 

?????「だよね!アタシもやっぱりそう思うな!」

 

柚「そうですよねぇ、何からやろうか~」

 

あずき「それを誰か、経験者のアイドルに聞いてみるところから始めるっていうのはどうかな?名付けて、チェスの勉強の仕方を勉強する大作戦~」

 

?????「おぉ~じゃあ早速やってみようか!」

 

あずき「そうですよねぇ!……」

 

柚「……」

 

宮本フレデリカ「……」

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あずき「……」

 

柚「……」

 

フレデリカ「ハーイ♪呼ばれて飛び出リカ、じゃなかった、宮本フレデリカだよ~♪」

 

フレデリカ「チェスのお勉強ってハナシだけど、ルールとピースの動かし方とがわかったら、次は『こーいう局面になったらこんな手を指すんだ!』っていうテクニックをお勉強したらいーんじゃないかとアタシは思うなー」

 

柚「テクニック……ですか?」

 

フレデリカ「そうだよー♪ボケたら突っ込む、とか、こうやってきたらこう投げ飛ばす、みたいな、一連の動きがチェスにもあるんだよー!」

 

あずき「フレデリカさんはチェス強いんですか?」

 

フレデリカ「フレちゃんはフランスのGMにチェスのセンスを誉められたこともあるんだよー♪」

 

柚「す、すごい……GMってもしかして……」

 

フレデリカ「そ、グランド(G)マザー(M)だよ!」

 

柚・あずき「」

 

フレデリカ「そんなわけで、やっていこー♪まず、この局面をみてくれ、こいつをどう思うー?」

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(Figure.1)

あずき「あの……これ……」

 

フレデリカ「あっ、フレちゃん間違っちゃったー♪こっちだよー」

  • アンパッサン

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(Fig.2.1 ※1)

フレデリカ「これは、たぶん昔のたぶん有名なゲームで、たぶん実際にあった局面だよー♪」

 

あずき「進行はどんな感じですか?」

 

フレデリカ「んーとね、1. b3 e5 2. Bb2 Nc6 3. c4 Nf6 4. Nf3 e4 5. Nd4 Bc5 6. Nxc6 dxc6 7. e3 Bf5 8. Qc2 Qe7 9. Be2 0-0-0 10. f4、でこの局面だね!黒番だよ!ちなみにこの1.b3 から始まるオープニングは、これを得意としたプレイヤーの名前を冠してラーセン・オープニングと呼ばれてるよ!ビショップの斜めの利きをダイアゴナルとかディアゴナルっていうけれど、チェスボードの対角線は最長のディアゴナルだからいちばんビショップが働くんだよね!だから、ナイトの上のポーンを突いてそこにビショップを置くのは好形とされて、『フィアンケットを組む』とかいわれるんだよー♪ラーセン・オープニングは先手番が最速でフィアンケットを組みに行ってるんだね!

 

柚「ほほー……えと、白がf4とポーンを2マス出してきたところだから……e4の黒ポーンを使ってアンパッサンしてみたいけど……」

 

フレデリカ「おお!じゃあ、実際に動かしてみよっかー。柚ちゃんが黒で、アタシがし白を動かすよー」

 

柚「まずこれ!これなら相手のポーンを第4ランクから取り去りながら次にビショップも取れるし!」

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(Fig.2.2)

あずき「10.  f4   exf3 e.p. だねっ」

 

フレデリカ「フンフンフフーン♪」

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(Fig.2.3)

あずき「これはクイーンがf5のビショップを取って、しかもチェックだから……11.  Qxf5+、だね!」

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(Fig.2.4)

柚「チェックだから……クイーンの利きを遮るか……いやでも形を崩しちゃうから、ここはキングを逃がそう!」

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(Fig.2.5)

あずき「これは11.  Qxf5+  Kb8っと」

 

フレデリカ「フンフフー♪」

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(Fig.2.6)

あずき「これは12手目でクイーンでf3のポーンを取ったから、12.  Qxf3ですね!」

 

柚「って、こちらのビショップが取られたばかりか、ビショップに当ててたポーンも取られて、黒がもうボロボロって感じ!」

 

フレデリカ「これはもう白番が勝勢だねー♪実は、柚ちゃんがアンパッサンしたポーンは、黒ビショップを睨む白クイーンの利きを遮っていた、というジューヨーな役目を帯びていたのだよ!それがいなくなったから、こうなっちゃったんだねー」

 

あずき「なるほど、じゃあこのときはアンパッサンしない方が良かった……?」

 

フレデリカ「そーいうこと!アンパッサンは義務じゃなくて権利だからね!」

 

 

  • ピン

 フレデリカ「さっきの、元の局面のここのところ、見てみてー」

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(再掲Fig.2.1)

あずき「どこですかー?」

 

フレデリカ「この斜めのところ!」

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(Fig.2.1.2 フレデリカの示したライン)

フレデリカ「さっき柚ちゃんは、このe4のポーンをどかしちゃったから、後ろのビショップが白のクイーンに取られちゃったわけだけど、フレちゃん側から見てみると、『白のクイーンの利きを使って、e4の黒ポーンに動いちゃいけない!って圧力をかけている』状態だよねー?こーいうふうに釘付けにするのを、ピンっていうよ♪」

 

あずき「虫ピンのピンですね!」

 

柚「確かに刺し止められている感じだ!」

 

フレデリカ「ピンは利きが直線であるピースに独特で、チェスをやる上で絶対知ってなきゃダメなやつだよー♪たとえば、こんなのとか、こんなのもピンだね!」

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(Fig.3.1)

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(Fig.3.2)

  • スキュアー

フレデリカ「じゃ、ふたりとも、これはどうかなー?」

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(Fig.4.1)

あずき「これもピン……かな?」

 

柚「でもピンされてるピースがキングだよね」

 

フレデリカ「そうだよ!これは次にキングが逃げるから、必ず後ろの黒クイーンがとれるよね♪さっきのピンと似てるけど、こういうのを特別にスキュアーっていうよ!」

 

柚「後ろのピースより、ピンされているピースの方が価値が高くて逃げざるを得ないときの、ピンの特別バージョンってことだね!」

 

フレデリカ「そーいうこと!たとえばこんなのもスキュアーだね♪」

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(Fig.4.2)

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(Fig.4.3)

  • ディスカバーアタック

 フレデリカ「じゃー、最後にもうひとつ♪これはどうかな?」

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(Fig.5.1.1)

あずき「これでe4のナイトがどこかに移動、たとえばg5とか行くと、チェックが掛かるね」

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(Fig.5.1.2)

フレデリカ「そうだよ!こーいうのを、ディスカバー・アタックって言うよ!ピンされているのが自分の駒、みたいな感じだね♪」

 

 あずき「開き王手、みたいなものですね!」

 

フレデリカ「そんな感じ!このディスカバー・アタック、何がすごいかって言うと、たとえばさっきのにクイーンをひとつ足してみようか」

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(Fig.5.2.1)

フレデリカ「この状態で、Kg4とナイトを跳ねるとするでしょ?すると……」

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(Fig.5.2.2)

フレデリカ「わお!二股だよー♪」

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(Fig.5.2.3)

柚「これは、キングを逃げたらクイーンがたすからない……」

 

フレデリカ「諸君、これがディスカバー・アタックの醍醐味だよ♪」

 

あずき「なるほど……こうやって、何を勉強すればチェスの勉強になるのか、っていうのに答えて貰えるのはありがたいですね!ありがとうございます!」

 

柚「まだまだチェスが何たるか、なんて全然わからないけれど、少しずつ出来ることが増えて行って、楽しくなってきたね!」

 

フレデリカ「フンフフー♪チェスの本質は、ふたりはもう知ってるから大丈夫だよー♪」 

 

 あずき・柚「えぇ?!」

 

フレデリカ「おばあちゃんが言ってたんだけどね、この世界には、『チェスの本質はチェスとは何であるか考えること』って言葉があるんだって!だから、君たちはもう立派にチェスの本質を知っているのだ~、なんてね♪」

 

(続く)

 

※1……Boris Spassky v.s. Bent Larsen.1970,Beograd