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愛とは、全人生をかけてアイドルにチェスを教えること。

フリルドスクエアと行く、奥深いチェスの旅。

チェスを始めるにあたって(ルール/ピースの動き/符号の読み方)

……

藤忍「でね、まずチェスボードは向きがあるんだよ」

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桃井あずき「そうなんだっ!覚え方とかってあるの?」

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忍「うんとね、白いマスがお互い自分の右下にくるように向ければいいんだよ」

 

喜多見柚「なるほどー、こうかな?」

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忍「そうそう。じゃ、ざっとルールを説明するよー」

 

速水奏「お疲れ様、今日も精が出るわね」

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綾瀬穂乃香「お疲れ様です、奏さん。今日は、柚さんとあずきさんに、私と忍ぶさんのふたりでチェスの説明をしてみようかと思ってます。お勉強したことの確認にもなるし……あっ、間違ってたりしたら困るので、もしお暇でしたら、よかったら訂正や補足をお願いしてもいいですか……?」

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奏「もちろん、いいわよ」

 

あずき「チェスが得意なアイドルになるためのプロジェクトX、始まるよーっ」

 

  • チェスのルール

忍「まずチェスはね、2人のプレイヤーが、各々がキング、クイーン、ルーク、ビショップ、ナイト、ポーンの6種類32個の駒を使って遊ぶゲームだよ」

 

穂乃香「駒のことをピース、と呼んだりもしますね。キングとクイーンは1個ずつ、ポーンは8個ずつ、あとは全部2個ずつです」

 

忍「白が先手で黒が後手だよ。二人は交互に、必ず1回ずつピースを動かしていくよ」

 

柚「パスはダメってことね、おっけー」

 

奏「二人が1回ずつ手を動かした状態を、1手とカウントするわ。将棋とは違うのね」

 

穂乃香「自分のピースが動ける範囲に相手のピースがある場合、相手のピースを盤上から下ろして自分のピースを相手のピースが居た場所に置くことが出来ます」

 

忍「これを取るっていうよ。取られた駒はチェスでは使えないんだ。それで、ピースが相手の駒を取って動ける範囲を、利きっていうのね」

 

奏「ボードを去った駒は、自分の右手側に置くことが多いかしら」

 

あずき「何をやったら勝ち負けが決まるの?」

 

穂乃香「まず、相手のキングを自分の駒の利きに入れることをチェックといいます」

 

忍「将棋でいうところの王手だね」

 

穂乃香「このとき、チェックを掛けられた側は、自分のキングを救う手を指さないといけないんですけど……」

 

忍「どうやっても相手のチェックから逃げられない状態、これをチェックメイトっていうよ」

 

柚「じゃあ、相手のキングをチェックメイトすればいいってこと?」

 

穂乃香「それがチェスというゲームの目的になりますね」

 

あずき「なるほど、ルールは大体わかったね!」

 

穂乃香「では次は、各ピースの動き方を説明しますね」

 

  • ピースの動きと、特別なルール

奏「ルール説明をしている間に、用意しておいたわ。これがチェスの初形よ。……ふふっ、ちゃんとお互い右下が白のマスかどうか確認して」

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あずき「大丈夫みたいです!」

 

穂乃香「並べ方ですが、お互い線対称に並べます。このとき、どちらもクイーンは自分のピースと同じ色のマスに来るようにします」

 

柚「将棋みたいにまるっきりおなじ陣形で始まる訳じゃないんだ」

 

穂乃香「そうです。そして、白から見て、左下の黒マスを基点として、チェスボードには縦横に座標が振られています」

 

忍「こんなふうに、横の行をランクと言って、一番下から第1ランク、第2ランク……と第8ランクまであるんだよ。縦の列はファイルっていうんだ。左からaファイル、bファイル……だよ」

 

穂乃香「各座標は、ランクとファイルの数字とアルファベットの組み合わせで呼ばれます。たとえば、白のキングがいるマスは、e1になります。では、黒のクイーンがいるのはどこでしょう?」

 

あずき「んーとねっ……d8かな?アルファベットが先だよね?」

 

忍「そうだよ!」

 

穂乃香「ひとつひとつのピースの動きをやりましょうか。まずキングです」

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穂乃香「キングはこのように、周囲8マスに動くことが出来ます」

 

奏「王を模ったピースで、ゲームで最も重要な駒よ。略称はKを使うわね」

 

忍「次がこれ。クイーン……やっぱりビショップにしよう」

 

あずき「なんで?」

 

忍「その方が説明しやすいからだよー」

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穂乃香「ビショップは、斜めにずっと動くことが出来ます。間にあるピースを飛び越えることはできませんが」

 

奏「僧正や、司祭を模っていると言われているわね。略称はBよ」

 

忍「で、これがルーク。」

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穂乃香「ルークは縦と横にずっと進むことが出来ます。もちろん、駒は飛び越えられません」

 

奏「これははっきりしてないのよね。戦車だったものが伝承のどこかで城壁になったといわれているわ。略称はRよ」

 

忍「んで、これがあずきちゃんお待ちかねのクイーンだよ」

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穂乃香「クイーンは、ビショップとルークを合わせた動きをします。だから先にビショップとルークの説明をしたんですね」

 

奏「ルークとクイーンはチェスに於ける大駒よ。キングがゲームの上で最も重要な駒だとしたら、クイーンは最も強力な駒ね。略称はQを使うわ」

 

忍「ナイトだよ」

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穂乃香「ナイトはこのように、少しトリッキーな動きをします。将棋の桂馬が8方向に動けるようになったような感じでしょうか……」

 

奏「この駒だけは、敵味方問わず駒を飛び越えて進めるわ。略称はK……といいたいけれどキングと被るので、頭文字の次の文字を取ってNと表すことが多いわね。Sという表記も時々見かけるわ」

 

忍「最後にポーンだよ。ポーンは略称を使わないことが原則だよ」

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穂乃香「ポーンはこのように、初期配置(白なら第2ランク、黒なら第7ランク)にいるもののみ、1マスまたは2マス直進することができます原則1マス直進です」

 

高垣楓「ポーンって飛び跳ねる感じ……ふふっ」

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安部菜々「楓さん!お仕事行きますよ!……し、失礼しました~」

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忍「え、えと、なんだっけ……」

 

穂乃香「ポーンの説明です……」

 

忍「うん、そうだった。それで、ポーンがまず他のピースと違うのは、相手のピースを取る時だね」

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穂乃香「ポーンは、前のマスにいるピースをとれないんです。代わりに、斜め前に相手のピースがある時、それを取ることができます。なので、e3のポーンはe4のポーンが邪魔で動けません。一方、b2のポーンはc3に進めます」

 

奏「あとは、アンパッサン、というポーンに纏わる特別なルールがあってね」

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奏「ポーンは2マス進んでくる場合がある、ってさっき言ったでしょう?便宜的にここでは第5ランクのポーンを2マス進めるけれど……ホントは初期配置のポーンしかダメよ?いま、黒がd5のポーンを2マス進めるところで」

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奏「こうなったと。このとき、白はe3のポーンを使って……」

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奏「あたかも、d4を通ったポーンの残像を取るかのように、d4に進んで、なおかつd3の相手のポーンを取ることができるの。この動きをアンパッサンというわ。取る方も取られる方もポーンでないと起こらない特殊なケースよ」

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柚「ポーンは原則前に1マスって言ってたけど、たとえば白のポーンがこうやって第8ランクまでいっちゃったらどうするの?もう動けない的な?」

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穂乃香「そのときは、プロモーションと言って、このポーンをナイト、ビショップ、ルーク、クイーンのいずれかに昇格させます」

 

あずき「プロモーション大作戦??」

 

奏「そんなドラマが昔あったわね確か……」

 

忍「これくらいかな?」

 

奏「あら、あと、キャスリングがあるじゃない」

 

忍「あぁ、そうでした。キャスリングっていうのは、自分のキングを囲うようにルークとキングを1回で2つとも動かす特殊なキングの動きで……」

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穂乃香「必ず、ルークとキングは初期配置から1マスも動いていないのが大原則です。このとき、e1のキングをc1に動かし、a1のルークをd1に動かすことが出来ます」

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奏「キングを囲うような動きね。城壁の下に潜って自分のキングの安全確保を図るわ……」

 

森久保乃々「なんですか……うぅ、そうです……どうせきゃすりんくぼですけど……あの……いきなりこっちみないでほしいんですけど……」

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穂乃香「ルークは左右に2か所いますが、距離が長いキャスリングクイーンサイド・キャスリング、短い方をキングサイド・キャスリングと呼び分けます」

 

忍「キャスリングが出来るためにはいくつか条件があるよ!」

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穂乃香「まず、ルークとキングの間に他の駒がいないことです。こんな場合はキャスリングできませんね」

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忍「こんなふうに、キングにチェックが掛かっている場合もダメだよ」

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穂乃香「こんなふうに、一度動いたキングが最初の位置に戻っても、キャスリングの権利はありません

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奏「あとはこれね。キャスリングをしてキングが到達する予定のマスが相手のピースの利きに入っているとき。これもキャスリング認められないわ。キャスリングはキングの動きとルール上されているから、先にルークを触ったらダメよ」

 

あずき「なるほどー、一回の動作で囲いを完成できるけど、いろいろと条件があるんだね!」

 

穂乃香「あとは、ステイルメイトですか」

 

忍「チェックメイトの局面と比較したらわかりやすいかも。まずね……」

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忍「この局面。こうやって、黒のキングにはb5のビショップによるチェックが掛かっているけど、どう動いても白のピースの利きに入っちゃって、チェックが解除できないよね。これがチェックメイト。で、だ……」

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忍「いま、こういう局面で、白が自分の手番にキングをg5に進めたとするでしょ?すると……」

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忍「黒の番なのに黒はキングをどこにも動かすことができないの!しかも、ピースはキングしかないから、ほかのピースを動かすこともできないし……。こういう状態を、ステイルメイトというんだ」

 

穂乃香「ステイルメイトになったときは両者引き分け、ドローになります」

 

柚「詰み逃してステイルメイトになったらドローってことか……じゃ、敗勢になった方はステイルメイトを狙っていく、なんてこともできるんだね」

 

奏「ルールはそんなところじゃないかしら。最後に符号の読み方の説明をしましょう」

 

  • 符号の読み方

忍「符号っていうのは、ゲームの中で、何手目にどちらが何の駒をどこに動かした、という記録をとるために必要になるよ」

 

あずき「テレビでやってる、将棋の『先手、6八飛!』ってやつみたいなものかな?」

 

穂乃香「そうですね。動かした駒の略称と、動いた先の地点の座標の組み合わせをチェスでは使います。たとえば、さっきの……」

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穂乃香「これだとキングがd8のマスに動くので、『Kd8』と記します」

 

柚「相手の駒をとったときは?」

 

忍「そのときは、略称と座標の間にxを入れて表すよ。先ほどの例で、d8に何か黒のピースがいたのを取ったなら、『Kxd8』となるね」

 

穂乃香「指した手がチェックの場合は、『Qc2+』のように、末尾に+をつけますチェックメイトの場合は#をつけて『Qc2#』となりますね」

 

奏「アンパッサンとキャスリングの場合も注意ね。アンパッサンの時は末尾に『e.p.』と書き足して、キャスリングは、キングサイド・キャスリングなら『0-0』クイーンサイド・キャスリングなら『0-0-0』と書くわ」

 

忍「プロモーションのときは、何のピースに昇格したかの略称をイコールで書くよ」

 

あずき「じゃ、『e8=Q』と書いてあれば、e8まで進んだポーンがクイーンになったってことだね!」

 

穂乃香「そういうことですね」

 

柚「ねぇねぇ、たとえばこんな局面でさ、e5にルークを動かすときはどうすればいいの?『Re5』だと、どっちが動いたかわかんないよね」

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奏「いい質問ね。こういうときは、元の座標の、縦と横で重複しない方の文字を書き足すことで対応するわ。今回は第5ランクでの移動というのが共通だから、5を省略して、g5に居た方が動いたなら『Rge5』、c5の方なら『Ece5』って感じね」

 

柚「なるほどっ、わかりやすいです!」

 

穂乃香「えっと、最初にしなくちゃいけない説明はこんな感じです」

 

忍「今日はこの辺りにしよっか~」

 

あずき「チェスって、難しいけど、おもしろいね」

 

穂乃香「えぇ、ホントですね。チェスを始めてから、自分の表現力に少しずつ自信が出て来た気がします……大袈裟ですかね、えへへ」

 

奏「全然。私の好きな言葉のひとつに、『チェスは、愛のように音楽のように、人々を幸せにする力を持っている。』っていうのがあるわ。愛や音楽で人々を幸せにしようと思う、アイドルにこそチェスは必要なんじゃないかしら……」

 

(続く)